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啓蒙の弁証法 [哲学書]


啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

  • 作者: ホルクハイマー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/16
  • メディア: 文庫



フランクフルト学派の二人の巨人、ホルクハイマーとアドルノの共著『啓蒙の弁証法』を読み終わった。

すごく簡単に言えば、近代西洋における「啓蒙化」によって、人間は自然を支配できるようになった一方で、自然をすべて法則化したことにより、行き詰まりを見せ、個別的なものを排除するようになった。それと共に人々は自由(個別)から逃走し、集団・全体(法則)の中に自分をおくことで安心感を得られるよう求めるようになった。これにより最終的には全体主義体制が加速し、西洋は野蛮な道へと進むようになった。

ということなのだと思う。非常に議論が入り組んでおり、様々な例が挙げられていて、複雑なのでどこまで自分が理解しているかはわからないのだが、読んでいてうなずく部分が多かった。

エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』とマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の論理展開と基本的には同じようなものなのだと思う。フロムはもともと、著者の二人と同じくフランクフルト学派の一員だったみたいだし(本人たちがフランクフルト学派と名乗っていたわけではないと思うが・・・)。

前にも書いたかもしれないが、私は血液型で人間の性格を分類したり、星占いとかが大嫌いだ。人をカテゴライズして考えるやり方がどうも受け入れられない。

アドルノの、物事を批判的に見つめ、常に個別性に目を向けようとする姿勢に、とても共感を覚える。(どこまで彼の思想を理解しきれているかはわからないが・・・)
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