いしぶみ [映画]
是枝裕和監督、綾瀬はるか主演の映画「いしぶみ」を観て来た。
1945年8月6日広島 旧制広島二中の一年生が建物解体作業のために現原爆ドームそばの川の近くに集まっていた。原爆を落とされ、そこにいた全員が死亡した。
この出来事を映画にしたもの。
なのだが、普通の映画とは全く違う。
ひたすら綾瀬はるかが、生徒一人一人の当時の状況を朗読するだけというものなのだ。文章を読む綾瀬はるかの映像と声、セットとしておかれた木箱のみでひたすら映画は進んでいく。途中池上彰が、生き残った人々にインタビューする場面が挟まれるが、基本は綾瀬はるかの朗読のみ。
最初から最後まで極度の緊張感を強いられるすさまじい映画だった。池上彰のインタビュー映像から綾瀬はるかの朗読に戻った数分、集中力が切れてしまい、彼女の言葉が入ってこなかった瞬間があったが、あとはひたすら彼女の朗読に耳を傾けた。
徹頭徹尾冷静な視点で語られるこの映画。戦争物というととかく人の感情に訴え、悲惨さを強調し、涙を誘うようなものが多いこの日本において、素晴らしい映画だと思う。
我々は冷静に太平洋戦争を見つめ、戦争、暴力の非人道性・非道徳性に心を向けるべきではないだろうか。
2016-07-16 07:15
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