生ける屍 [文学 ロシア]
今年の春、岩波文庫から復刊された『生ける屍』、正直、岩波が復刊してくれるまでこの作品のことを知らなかった。シラーの『群盗』と共に復刊されることを知り、ネットで調べてみたところ、トルストイの戯曲ということで、珍しく、内容も面白そうなので読んでみた。
字体が旧字体なので若干読みづらくはあったが、すぐに慣れ、どんどんと読み進められた。
酒と女におぼれるどうしようもない夫フェージャと別れたいリーザではあったが、(恐らく当時のキリスト教社会のロシアでは)離婚手続きがなかなか進まない。フェージャの友人であるカレーニンは、リーザの結婚前からリーザを愛しており、この離婚手続きの間にリーザと親しくなり、二人は愛するようになる。
フェージャは二人が愛し合っていることを知り、自分が死ねば二人は結婚できると思い、自殺したということにすれば二人は結婚できるということで、自分は自殺したということにする。
これでカレーニンとリーザは無事結婚するが、ふとしたころからフェージャが生きていたことが解ってしまい、リーザは重婚罪で訴えられる。
そして最後の幕は裁判の場面となる。
『カラマーゾフの兄弟』『ヴェニスの商人』はじめ、最後に裁判の場面を持ってくるとやはりとっても盛り上がる。
短いがとても面白かった。
2016-07-27 06:42
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