ジェルミナール 下 [文学 フランス ゾラ]
ゾラ作『ジェルミナール』を読み終わった。岩波文庫の復刊で、当時のままの書体の本なので旧字体も非常に多く読みづらくはあったが、下巻は一気に読み終わった。
ストライキも2ヶ月経ち、寒さも増してきてどうしようもない状態になる。
餓えのため、死者も出て、官憲(軍隊?)との衝突の際にも死者が出て、特にマユ一家はどんどん死んでいく。
このストライキを軸としてストーリーが進む一方、シャヴァル、エティエンヌ、カトリーヌの三角関係が話の前面にぐっと出てくる。
カトリーヌを巡って、シャバル、エティエンヌが殴り合いをし、エティエンヌが勝利する。
しかし、これですぐにエティエンヌとカトリーヌが結ばれないところが、読んでいてむず痒い感じだ。
最終的に二人は絶望的な状態の中で結ばれるのだが・・・・・・。
エティエンヌとカトリーヌの恋愛がとても綺麗なので、読んでいて『居酒屋』よりははるかに心地よい感じだったのだが、人がどんどん死んでいく後半部は読んでいて結構つらかった。しかし、最後に、はるかかなたに何か光が見える感じの、清清しさを感じることが出来る結末が、読後感を綺麗なものにしてくれる。
『居酒屋』より、この作品がもっと読まれても良いのでは、と思った。
2016-09-05 06:54
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