数の悪魔 算数・数学が楽しくなる12夜 [文学 ドイツ]
一応ドイツ文学なのだろうが、純粋な文学作品とはいえない。『ソフィーの世界』は哲学とファンタジーを組み合わせた、哲学の世界へのいざないの書、といえるが、この本はその数学・算数版といえる。
出だしがあまりに唐突で、まさにファンタジー満載といった感じのはじまりなので、はじめ「これはつまらないか」と思ったが、後半どんどん面白くなっていった。とはいえ、もう少し、物語性が強く押し出されるともっと良い気がした。
この本は算数・数学の世界で問題とされるが、深く考えられることのない、「1」や「0」の概念、素数、無限、といったテーマを、楽しみながら考えられるようにうまく構成されている。算数・数学=計算という考え方を真っ向から否定する。まさに算数・数学=哲学という、感じを前面に押し出しており、算数や数学の楽しさ・奥深さが楽しみながらわかる作品となっている。特にサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』と併読していたのでとても理解が深まった。
2017-07-10 07:37
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