君たちはどう生きるか [文学 日本 Classic]
吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を読み終わった。
子供に対する推薦図書に必ずと言っていいほど入っている本なのだが、岩波文庫の青のライン(哲学)に入っていること、名前がとっても哲学的で小難しそうなこと、から今までずっと敬遠してきた。しかし、私の信頼する同僚から勧められ今回読むに至った。
とっても良い本であった。コペル君とあだ名された、今で言う中学2~3年生くらいの少年が、世界の仕組みを様々な経験から知り、自分の内面を、こちらも様々な体験から深めていく内容だ。ところどころに入る叔父さんからの手紙もとても良い味を出しており、子供が認識した世界を、大人の視点から分析してさらに考えを深めさせる、という形をとっている。
このような道徳の教科書的な本は、どうしても鼻持ちならない感じになるし、読んでいて鬱陶しい感じになるものが多い中、まったく嫌味な感じがなく、とても爽快な気持ちになりながら読み進めることができた。科学、歴史、道徳、認識論など、様々な切り口が面白い、無理のないストーリーの中に織り交ぜられており、本当にこの吉野源三郎という作者は、頭が良いし、心も豊かな人だったんだろうなあと思う。
本当に本当に素晴らしい本と出会えた。
多くの中・高生に読んでもらいたい本だ。
2017-07-26 03:23
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