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ブッダが説いたこと [哲学書]


ブッダが説いたこと (岩波文庫)

ブッダが説いたこと (岩波文庫)

  • 作者: ワールポラ・ラーフラ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/02/17
  • メディア: 文庫



岩波文庫から出ている『ブッダが説いたこと』という本を読んだ。
作者のワールポラ・ラーフラという人はスリランカ人で、僧侶教育も受けた人で、アメリカの大学でも教えたことのある人ということだ。

この世の中には仏教に関する解説書がたくさんあるが、そのほとんどがブッダの教えをちゃんと伝えていない、ということで、この本を書いたということだ。自ら僧侶であり、大学教授でもある人の書いたものだけあり、非常に分かりやすくそして目からうろこだった。

私は、様々な僧侶と会ったことあるが、そのほとんどがどうしようもない。自分の利権にしがみつき、お金に汚く、女にだらしなく、酒を飲み、知識欲もなく、慈悲の心にかけ、本当に、僧侶というのは葬式をやるためだけにいるのではないか、というひとばかりだ。正直仏教はどうしようもないものと思っていた。

マルクスとマルクス主義、イエス・キリストの教えとキリスト教、ブッダの教えと仏教、とにかく元々の考え方とその後に発展した教団や主義とは大きく異なる場合が多い。マルクスに関してはマルクスが実際に書いたものを読めば良い。イエス・キリストに関しては、キリスト本人が書いたわけではないが、聖書を読めば良い。(まあ、どちらも様々な過程を経て自分のところに届いているので、その過程でもうすでに彼ら自身の考え方と違うともいえるが・・・)。

しかし仏教、ブッダの教えというものはなかなか、これを読めば良い、というものもなく、何を読んでいいのかわからなかったので今まで避けてきた。しかし、この書を読んでブッダの教えに触れられた。
一神教と違い、自己というものは存在しない、物質・感覚・識別・意志・意識の相互作用で成り立っているため、移ろわないものはない、ニルヴァーナとは様々なものの消滅であり、それは絶対心理であり、この世にいるときでも到達できる、など、本当に面白い内容であった。最後の部分は、仏教と現代世界との関わりについても述べており、仏教の「非暴力・平和・愛・慈悲・寛容・理解・心理・叡智」といった考え方は世界平和につながるという考え方を伝えている。

私の日頃の考えと同じことを述べている箇所があるので、その部分を紹介したい。
p.184~p.185
「国家とは、個人の巨大な集合要素以外の何者でもない。国、国家は行動せず、行動するのは個人である。個人が思うこと、行うことが、国、国家が行うことである。個人に当てはまることは、国、国家にもあてはまる。個人レベルで、憎しみが愛と親切さで静められうのなら、国家レベル、国際レベルでもそれは実現可能である。」

本当にその通りだと思う。この後、アショーカ王という仏教の考え方に基づき平和的に国家を運営した王様が他国をも平和にしたことが紹介されて終わる。

本当に素晴らしい本だった。くだらないことばかりやっている日本のお坊さんたちすべてに読んで、自分の行動・言動を見直してもらいたい。
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