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Gone with the Wind Part Five [文学 アメリカ]


Gone with the Wind

Gone with the Wind

  • 作者: Margaret Mitchell
  • 出版社/メーカー: Pan Books
  • 発売日: 2014/02/13
  • メディア: ペーパーバック



遂に、遂に、1450ページもある、Gone with The Windを読み終わった。
正直、このPart5に入って読むのが苦痛になってきていた。
Rhett Butlerと結婚したScarlettは贅沢し放題、やりたい放題といった感じになっていき、そうしたつけがまわり、様々な悲劇に直面。エミール・ゾラを中心とした、フランス自然主義文学を彷彿とさせる描写で正直読んでいて気持ち悪くなってしまう場面も多かった。とはいえ、無茶苦茶な生活はしているのであるが、性的な部分では最後の一線は越えないというようなところがあり、そこだけは良かった。さすが女流作家が書いた作品だなあと思った。

このままいや~な感じで終わるのかなと思っていたところ、最後にどんでん返し。
ずっと影でScarlettを支え励ましてきたMelanieがあることから亡くなってしまう。それをきっかけにScarlettは恐らく人生で初めて自分の心と真剣に向き合う。この最後の30ページが最高に素晴らしく美しい。そして自分の思いをRhettに打ち明け、最後はめでたしめでたしとなるのか?と思いきや思わぬ結末。ここで、おとぎばなしのようにHappy Endにせず、この先ScarlettとRhettの関係はどうなって行くのか?と読者に想像させるような形で終わらせたあたりが、この名作を不朽の名作にした一因であろう。

しかしこの物語、すべての人が結婚という形をとっているものの、心は片思いのまま。

ジェラルド⇒エレン⇒フィリップ(死)
メラニー⇒アシュリー
スカーレット⇒アシュリー
レット⇒スカーレット

みんな自分の気持ちを清算できないまま、南北戦争の混乱の中で必死に生きていく。

本当に様々な要素を含んだこの小説。とっても長いのだがとても読みやすいので是非多くの人に手にとってもらいたい。

前にもかいたが、戦後の日本の状況と南北戦争後の南部の状況は非常に似通った部分が多いので、そういった意味でもとても共感できるし様々なことが染み入ってくるのではないだろうか。

聖母マリアのようなメラニーが常に全体を見ながら、慈愛の心ですべての人に接しているのに対し、
人間の象徴のようなスカーレットが常に自分を第一に考え、あらゆることに立ち向かっている。
この対比も非常に興味深い。どちらも人間として必要な要素である。だからこそ完璧に見えるメラニーも常にスカーレットを尊敬し、同時に嫉妬の気持ちを抱いていたのだろうし、メラニーの死と共にスカーレットが自分と向き合う機会を得たのであろう。

本当に面白かった。

映画などではなく是非本でこの作品を味わってもらいたい。
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