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Anti-Intellectualism in American Life Part6 Conclusion [学術書]


Anti-Intellectualism in American Life

Anti-Intellectualism in American Life

  • 作者: Richard Hofstadter
  • 出版社/メーカー: Vintage
  • 発売日: 1966/02/12
  • メディア: ペーパーバック



遂にAnti-Intellectualism in American Lifeを読み終わった。
宗教、政治、経済界、教育における、反知性主義の歴史を辿り、最終的には、IntellectualがそのAntiにどのように対応してきたかを述べている。

アメリカは、様々な分野でAnti-Intellectualismが歴史的にあり、そのせいでIntellectualの側もそれに慣れてしまい、それに適応するようになってしまったという結論???

p.411
An excessive, rampant individualism had prevented the formation of a collective spiritual life. The pioneering spirit, coarsely bent on acquisition and conquest, had forced a materialism which was hopelessly opposed to the skeptical or creative imagination ~

とある。過度な個人主義や物質主義に向かうような開拓精神が、アメリカ全体に精神生活をはぐぐむ機会を奪い、批判的で創造的な精神を奪ってしまったといった意味なのだろうか・・・。

基本的に作者HofstadterはIntellectualの代表として作家の名前を多く挙げている。彼らの多くは、知的な側面と実務的な側面を併せ持っていたと述べている。

が、この本を読んでいる間中ずっと違和感があったのだが、そもそも批判的、多角的な視点を持った人間が受け入れられる社会、社会というと語弊があるなら国家、というものが存在したのだろうか。ソクラテスに始まり、エラスムス、近代以前の国家、共同体もことごとく批判的にものごとを考える人間達を排除してきた。衆愚政治というものは常に権力者にとっては理想的なのだと思うのだ。知的でないからこそ権力を目指す。権力を握った人間は知的でないからこそ知的な人間をおそれ、権力組織から知的な人間を排除する。さらにいえば、そもそも知的な人間達は権力なんぞ求めていないし、一般の人々に理解してもらうことをあまり欲していない。

とても緻密に分析されピュリッツァー賞も受賞した作品なのだろうが、正直これはアメリカ社会に特有の現象でなく、古今東西どんな組織にもありえる話なのでないだろうか。
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