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ホフマン短編集 [文学 ドイツ]


ホフマン短篇集 (岩波文庫)

ホフマン短篇集 (岩波文庫)

  • 作者: ホフマン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/09/17
  • メディア: 文庫



昨年、子供達と一緒に、よくバレエのDVDを観た。
子供たちのお気に入りは、「ドン・キホーテ」「コッペリア」「くるみ割り人形」。このうちの2作品、「コッペリア」と「くるみ割り人形」の原作を書いたのがホフマンだと知り、偶然ブック・オフで見つけて購入しておいた本。

全部で6作品収録されており、オペラ「ホフマン物語」とバレエ「コッペリア」の原作は「砂男」という題名で4作目に入っている。

ベッリーニのオペラや、様々な文学作品でも似たような傾向が見られるのだが、この時代、夢・夢遊病・幻想みたいなものが流行っていたのか、全体的に現実と非現実が交差し、ふしぎな世界観を醸し出している作品がほとんどだった。この本には収録されていないが「くるみ割り人形」も同じような感じの作品で、有名なバレエほどわかりやすくはなく、どこまでが現実でどこまでが非現実なのかがよくわからないような感じで物語は進んでいく。というより、何が現実で何が幻想なのかは本当はわからない、つまりデカルト的な本当の自分とは何なのか、といったことを問うている作品群なのかな、と感じた。

とてもわかりやすい、といった感じではないが、全くわからないということもなく、ミステリアスな部分が多いので、最後まで展開がわからず、なんとなくページをめくっていってしまう。

この間読んだ、『哲学のことば』にも書かれていたが、ホフマンも目、視覚、視線というものが持つ不思議な力、愛へと導く力、狂気へと導く力に注目していたのが興味深かった。

幻想的なミステリー作品に興味がある人(そんな人がいるのか)にはおススメの作品。
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