王妃の首飾り 上 [文学 フランス]
デュマの『王妃の首飾り』を読み始め、上巻が読み終わった。
フランス革命前、マリ・アントワネットをめぐる陰謀の話で、私の愛読書『ヴェルサイユのばら』でこの「王妃の首飾り」事件は結構詳しく描かれていたので、情景を頭に思い浮かべやすく『王妃マルゴ』より文字が小さく、かなり長いのだが、すらすら読み進められている。
本当に実在していたのかよくわからないが、千年以上も生きており、いろいろなことを予言できると嘯くカリオストロ伯、王族に近いところでそれぞれがそれぞれの思いを抱いて動くタヴェルネ一家、ルイ16世の兄弟たち、王族を貶めようとする様々な人民たち、なんだかよくわからないが、運命に翻弄されてそうした陰謀に加担する下層階級の人間たち、そしてこの事件の首謀者ヴァロワ家の末裔と嘯くジャンヌ、とにかく様々な登場人物が出てきて面白い。
しかも、『王妃マルゴ』『ダルタニャン物語』など、フランス王族の歴史をそれなりに小説で追ってきているので、いろいろなことがつながりやすく非常に面白い。
ところで、この話。『或る医者の回想』という大部の4部作の2作目らしい。一作目の『ジョゼフ・バルサモ』という話はこの『王妃の首飾り』にも大きく影響しているので、読んでみたいとは思うが、一般に日本語版では流布していないらしい。
まあ、なんにしろ、この作品を一気に読み切りたい。
2020-02-10 07:44
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