あまんきみこ童話集3 [文学 日本 あまんきみこ]
あまんきみこの童話集3を読み終わった。
この本は、ほとんどが、主人公が「えっちゃん」の作品で埋められている。えっちゃんの友だち猫、あめ色の「ミュウ」も重要な役割を果たす。
この本は、見方を変えれば気分も変わる、ということを教えてくれる。
例えば、
「スキップ、スキップ」という作品の中で
「うれしいことがあるからスキップするんじゃなくって、スキップするから、うれしくなるのか。ふん、それなら、ぼくも、やってみよう」
という台詞が何度も登場する。これによって、えっちゃんによって始められたスキップが大行列になっていくのだ。大人は普通このようには考えない。
他にも、
「風船ばたけは、さあらさら」という作品の中で、次のような台詞が登場する。
p.116
「マジックペンで名前をかいたとき、かいたとたんにわかったの。これは、うめだえつこの風船じゃなくて、風船のうめだえつこさんだって。」
これは、本当にステキな考え方だ。自分のものだと考え、名前を書いた途端に、そのものが、自我を持って動き出す。まさに物語の始まる瞬間と言えるだろう。
子どもの頭の中はこんな夢のある世界でいっぱいだ。大人になって、こんな世界を描けるあまんきみこさんは、やはりすごいなあ、と思う。
2020-08-18 09:21
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