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セレナーデ op.41 [ベートーヴェン 室内楽曲]

評価
★★★★★★☆☆☆☆

この間、ノクターンを調べていた時に読んだのだが、ノクターンというのは、夜想曲と訳される。アイルランド出身のイギリス・ロシアで作曲活動をしたジョン・フィールドが開拓したピアノ曲の分野で、一人で夜にしっとりと聴くことをイメージして作られているので、穏やかで流れるような曲想が多い。

セレナーデ(セレナード)は小夜曲と訳され、ノクターンと同じようなものをイメージするのだが、これは、窓の下で恋人に捧げる歌曲をイメージして作られたものであり、交響曲などよりも楽章数の多い、少人数で奏でられる、夜会で食事を楽しみながら気軽に聞ける音楽をイメージして作られていることが多いので、曲想は結構明るめのものが多い。
かの有名なモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」もセレナードだと言えば、曲のイメージがわくかもしれない。

この曲も例に漏れず、結構明るめの曲調。ピアノとフルートのための曲である。

1楽章:結構跳ねるようなリズムで始まる。鳥たちが朝ささやきあっているようなイメージ。これはフルートがメロディを弾いているからなのだろう。ピアノも結構軽い感じでとても楽しげである。
2楽章:ピアノから入る。ソナチネの主題のような愛らしいメロディで入る。この愛らしいメロディがどんどん形を変えて演奏される。
3楽章:ピアノが短調の暗い感じで入るが、それを長調でフルートが返すあたりがとても良い。結構短調が続く、ところどころ長調になり曲調が変わるのがアクセントありとても良い。
4楽章:しっとりとしたアンダンテの変奏曲楽章。こういう音楽を書かせると本当にベートーヴェンは天才的力を発揮する。涙が出そうなメロディをフルートがピアノが順番に奏でる。
5楽章:スケルツォと名付けられているだけあり、軽快な楽しい音楽。交響曲の3楽章のような感じ。
6楽章:短いアダージョ楽章。4楽章ほどの美しさはなく。本当に中間にそっと置かれた感じ。途中、ピアノとフルートが順番にトリルを奏でる部分は綺麗ではある。
7楽章:最終楽章だけあり堂々とした音楽。こういう音楽を書かせてもベートーベンは素晴らしい。

全体的に素晴らしく、飽きずに聴ける。もっと知られてもよい作品な気がする。
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