シューベルト 歌曲集08 [シューベルト 歌曲]
こちらもシューベルトの若き日の作品たち。
この第8巻で、収穫なのは、Kosegartenという詩人。この詩人の詩に付けた曲がすべて素晴らしいのだ。
基本的に自然の素晴らしさ、美しさを歌った曲が多いように思われるのだが、そのすべてが優しく自然に語りかけるような感じ。最近、宮沢賢治の伝記漫画を読んでいるのだが、心の純粋さ、優しさ、自然に対する目の向け方など、シューベルトと宮沢賢治は非常に似ているような気がするのだ、そしてこのKosegartenという人も恐らく純粋で、美しい心の持ち主であったのだろう。
D.221~241くらいまで結構この詩人の作が含まれているのだが、本当に素晴らしい。
特に、7曲目 D.233のSpirit of Loveが素晴らしい。抑えた感じで入るのだが、途中感情が高まりどんどん盛り上がっていくところが感動的ですらある。
01. D.227 「イーデンの夜の歌」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
とても美しいメロディを持った分かりやすい構造の綺麗な曲。
02. D.228 「イーダから」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
少し暗い感じの内省的な美しい曲。
03. D.229 「幻影」 コーゼガルデン詩
★★★★★★☆☆☆☆
若々しく、優しいメロディ。
04. D.230 「幻覚」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
ピアノも繊細で、歌も高音を活かしたとても綺麗な曲。
05. D.231 「憧れ」 コーゼガルデン詩
★★★★★★☆☆☆☆
少し緊迫感のある曲。メロディは相変わらず美しい。
06. D.232 「無限なるものへの讃歌」 シラー詩
★★★★★★★☆☆☆
重唱作品。対位法が用いられていたり、ピアノもとてもドラマティックで、歌も声が重なることで感動的な感じになっている。
07. D. 233 「愛の精」
★★★★★★★☆☆☆
流れるような美しく若々しい曲。
08. D. 221 「夕べ」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
息の長いゆったりとした旋律。
09. D.234 「宴席の歌」 コーゼガルデン詩
★★★★★★☆☆☆☆
若々しい喜びに溢れた曲。
10. D.236 「夕映え」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
しっとりとした賛美歌のような美しい曲。重唱曲となっている。
11. D.235 「夕べに、菩提樹の下で」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
少し悲しげな静かな曲。
12. D.237 「夕べに、菩提樹の下で」 コーゼガルデン詩
★★★★★★☆☆☆☆
前曲より少し長い。
13. D. 238 「月の夜」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
優しく語りかけるようなピアノ伴奏で始まり、少し緊張感が高まっていく。とにかくメロディが綺麗。
14. D. 240 「誓い」 コーゼガルデン詩
★★★★★★☆☆☆☆
若々しい元気な曲。ピアノ伴奏も生き生きとしている。
15. D.241 「恋のために全て」 コーゼガルデン詩
★★★★★★★☆☆☆
繊細で美しい曲。囁きかけるような優しいメロディが印象的。
16. D.242 「冬の酒宴の歌」
★★★★★★☆☆☆☆
合唱曲。寒々しさのなかに楽しそうな感じがある。
17. D.246 「人質」 シラー詩
★★★★★★☆☆☆☆
10分近い物語曲。緊迫感を持って始まり、悠々とした広がりのあるメロディで滔々と語り部分となる。途中夢見るような綺麗なピアノが流れるところが綺麗。
18. D.246 「人質」 シラー詩
★★★★★★☆☆☆☆
17の続き? とても綺麗な伴奏とメロディで入る。
19. D.250 「秘密」 シラー詩
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした美しいメロディの曲。ムラ社会の悲恋を歌っているらしい。
20. D.251 「希望」 シラー詩
★★★★★★★☆☆☆
美しいメロディで、前向きな感じの曲。
21. D.252 「異国から来た乙女」
★★★★★★☆☆☆☆
モーツァルト的な感じの優しい曲。
22. D.253 「ポンス酒の歌」
★★★★★★☆☆☆☆
単純なメロディをひたすら歌っているだけだが格好よくて良いメロディ。
23. D.239 「ベラ荘のクラウディーネ」あちらこちらに矢は飛ぶ ゲーテ詩
★★★★★★☆☆☆☆
優しいメロディの愛らしい曲。
24. D.239 「ベラ荘のクラウディーネ」恋はあらゆる道の上に ゲーテ詩
★★★★★★☆☆☆☆
少し悲しげな美しいメロディの曲。
25. D.247 「糸を紡ぐ女」
★★★★★★☆☆☆☆
少し物憂げな曲。ピアノと対話をしている感じで良い。
この第8巻は佳曲が多かった。
2021-03-12 15:13
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