劇音楽 エグモント Op.84 [ベートーヴェン 劇音楽]
評価
★★★★★★★★☆☆
ウィーン宮廷劇場の支配人であるヨゼフ・ハルトルに依頼されて作った作品らしい。原作はゲーテの『エグモント』。私は未読だが、あらすじ等読むと、自由主義的な貴族エグモント伯とその恋人クレールヒェンの恋愛と自由を勝ち取るための戦いの物語らしい。最終的にはエグモント伯は政治犯として処刑、クレールヒェンは恋人エグモント伯を救えないことに絶望し、毒を仰いで死んでしまうらしい。
序曲が非常に劇的であり、嵐を予感させる悲劇的な雰囲気で始まり、最後は勝利の輝かしい雰囲気で終わる。ベートーヴェンのどの序曲よりも素晴らしい出来だと思う。
間に挟まれたソプラノのアリアも、メロディも美しく魅力的。エグモントの独白もあるのだが、これが曲がついていないけれども、非常に音楽的響きを持っており、まるでシェイクスピア劇を観ているかのようだった。さすが文豪と呼ばれるゲーテの作品だと思った。
全体を通して聞かれることはあまりないのかもしれないが、序曲からアリア、モノローグから最後の場面まで、美しい音楽がずっと流れている素晴らしい曲である。
2021-04-02 04:04
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