うさぎ座の夜 [文学 日本 安房直子]
安房直子さんが最晩年に書いた作品と言われる。名作『花豆の煮えるまで』の続編的な作品らしく、偕成社から出版されていた『安房直子コレクション7』では、「花豆の煮えるまで」の後に収録されており、このコレクションを最後を飾る作品だった。
現在、この『うさぎ座の夜』と『安房直子コレクション7』は絶版になっており、図書館で物語を読み、そんなに心に残る作品ではなかったのだが、やはり手元に置いておきたくなって、アマゾンの古本市場で購入した。
『花豆の煮えるまで』と同じく、味戸ケイコさんが絵を描いており、安房直子さんの作品にはぴったりあう画風の人だと思う。
やまんばの娘小夜(さよ)が、川のほとりで遊んでいると、メッセージの書かれた紅葉の葉が流れてくる。それは、「うさぎ座」という人形劇団の公演の招待状だった。おばあちゃんに相談したり、いろいろ迷ったっりした挙句、小夜は公演に出向く。劇自体はそんなに面白くなかったが、劇の途中で自分が手袋をなくしてしまったことに気がつき、しかもその手袋が・・・。
という内容。人間の抜けている部分と、自然をうまく結びつけており、一回目に読んだ時より、結構心に残った。今回は絵がついていたということで、イメージも膨らんだのかもしれない。
なんにせよ、安房直子さんの素晴らしい作品群の多くが、品切重版未定状態なのが残念でならない。
2021-04-21 10:41
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