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トッカータとフーガ BWV538, 540, 565 [バッハ オルガン曲 フーガ]


Bach: The Organ Works Helmut Walcha

Bach: The Organ Works Helmut Walcha

  • 出版社/メーカー: Archiv Produktion
  • 発売日: 2000/04/03
  • メディア: CD



ちなみにトッカータとは、元々「触る」という意味から来ているものらしく、オルガンの試し弾きみたいな感じが由来っぽく、その辺から「即興演奏」みたいな意味になったらしい。

BWV538 ドリア調
トッカータ
★★★★★★★★☆☆
ゲーム音楽の元祖のような曲。劇的な始まりから、哀愁を帯びたドラマティックな音楽へと展開し、遥かなる旅路へと出発するかのような音楽展開は感動的ですらある。即興でこのような演奏をされたらかなり感動的であったであろう。トッカータは全体的に長い曲が多いが、60、70年代のギタリストのギター・ソロがライブなんかだとひたすら長くなってしまうのと同じような感じで、観客の熱気と相まってどんどん音楽が膨らんでいったんだろうなあ、ということが想像できる。

フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
フーガらしい静かな単音のメロディでスタートし、その後音が重なり合いながらどんどん曲は進行していく。暗い感じで、そこまで楽しい曲ではないが一応聴ける。


BWV540 ヘ長調
トッカータ
★★★★★★★★☆☆
非常に明るく前向きな、前奏曲的な雰囲気を持った素晴らしい曲。「タラタラタラタラ」というリズムに乗せて、音が上がったり下がったりするはじめの部分は聴いていてとても楽しい。その後、曲が展開され、曲調が暗くなり、悲劇を感じさせる雰囲気に変わる。泣きのメロディがとても格好よく、主人公たちが困難にどう立ち向かおうか皆で話し合いながら前へと進んでいく様子が描かれているような音楽になる。最後はどこまでも上がって行きそうな感じの盛り上がりを見せ圧倒的な雰囲気で終わる。

フーガ
★★★★★☆☆☆☆☆
英雄たちが飛び立ってしまったあとの、空虚な感じと、彼らを心配する、王宮での様子を描いているかのような高貴で、不安で、それでいてどこか前向きな雰囲気のフーガ。


BWV565 ニ短調
トッカータ
★★★★★★★★☆☆
ベートーヴェンの「運命」交響曲と並び、最も有名なクラシックの出だしといっても良いのではないか。「運命」同様、はじめの部分が非常に有名だが、この出だしのあとの流れるような美しいスピード感のあるメロディも素晴らしい。

フーガ
★★★★★★★★☆☆
トッカータの雰囲気をそのまま残した、非常にドラマティックで泣きのメロディ満載の素晴らしいフーガ。途中静かな雰囲気に変わり、天井から天使が降ってきてお告げをするかのような部分も綺麗だ。そのお告げを受け、どうしようか皆で思い悩んでいるかのような混沌とした音世界がまた面白い。終わり近くにカデンツァのような部分が現れ最後は悲劇的な雰囲気で幕を閉じる。


全体的にトッカータが素晴らしく、バッハ音楽の中では楽しめる部類のものなのではないだろうか。

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