クラリネット五重奏曲 K.581 [モーツァルト 室内楽曲]
第一楽章 アレグロ
★★★★★★★☆☆☆
とても柔らかい穏やかな雰囲気で始まる。弦の優しい音に包まれて、クラリネットもこの上なく優しいメロディを奏でる。アレグロとは思えないゆったりとした高貴な音楽。クラリネットは主役というより各弦と完全に調和しており、ヴァイオリンとのやりとりも非常に美しい。第二主題の優美な広がりのあるメロディはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「スプリング」も思わせる。
第二楽章 ラルゲット
★★★★★★★☆☆☆
優美で美しいメロディをクラリネットが奏でて始まるのだが、この後を受けて演奏するソロ・ヴァイオリンの響きがこの上なく綺麗。ヴァイオリンをそっと支えるクラリネットがとても良い。まるで結婚式を迎え祭壇にのぼる娘をそっと支えるお父さんのような雰囲気で映像が目に浮かんでくるかのような音楽。
第三楽章 メヌエット
★★★★★★★☆☆☆
非常に優雅な雰囲気で始まる。ここでもクラリネットと弦楽器が豊かに絡み合う。途中までは、ダンスパーティーでゲストが皆揃うまで各自談笑している感じなのだが、若干短調気味の中間部の後の、まさにワルツのような踊りの音楽がとても綺麗で、皆が優雅に踊っている絵が思い浮かぶ。
第四楽章 アレグレット
★★★★★★★☆☆☆
変奏曲形式でメロディもきれいで耳馴染みが良いのでとても心に残るし聴いていて楽しい。結婚式後の披露宴会場を描いているかのような、素晴らしい最終楽章だ。
全体的に派手さはないが、美しいメロディに彩られており、様々な情景も浮かんでくるかなりの名曲。
2021-11-08 06:51
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