亡き子をしのぶ歌 [マーラー 歌曲]
Great Recordings Of The Century - Mahler: Kindertotenlieder; Gluck, etc / Ferrier, Walter
- 出版社/メーカー: EMI Classics
- 発売日: 1998/10/13
- メディア: CD
私の好きなリュッケルトの詩による歌曲集。
第1曲「いま太陽が燦々と昇ろうとしている」
★★★★★★★☆☆☆
叙情性豊かな悲しげな旋律がオーケストラによって奏でられ、そのあと歌が入ってくる。同じように悲しげなメロディを歌うのだが、少し感情が高まり、そのあと安らぎが訪れたような穏やかな美しいメロディがホルンによって奏でられる。オーケストラやハープの控えめな伴奏がこの曲の美しさを際立たせている。
第2曲「いま私はわかった。なぜそんな暗い炎を」
★★★★★★☆☆☆☆
完全に悲劇を迎えた感じの絶望的なオーケストラの伴奏で始まる。その後悲しい内面の吐露のようなオペラのアリアのような歌が始まる。段々と感情が高まっていき音楽は長調に向かって、天国へ向かって進んでいくかのよう。ハープが活躍する中間部はとても綺麗。はじめのメロディが回帰され終わる。
第3曲「おまえたちのおかあさんが戸口から歩み入るとき」
★★★★★☆☆☆☆☆
交響曲のスケルツォ楽章的な若干朴訥な感じで始まる。時に感情の高まりを見せるがあまり面白くない曲かも。
第4曲「よく私は子供らはただ散歩に出かけただけだと考える」
★★★★★★☆☆☆☆
伸びやかなメロディで始まるが、歌が始まるとすぐに影を帯びる。子どもを失った親の心の揺れを表すかのような悲しげなメロディと前向きなメロディが常に交差して進む。後ろでなるハープや管楽器の控えめな伴奏が本当に良い味を出している。最後は子守唄のように明るくそっと終わる。
第5曲「こんな嵐のような天候の中で」
★★★★★★★☆☆☆
激しい嵐のような始まり。うねるようなメロディが印象的。歌も力強く歌い始める。曲の半ばまでこの激しい雰囲気が続いた後、突然曲は静かになりメロディも穏やかで美しいものになる。簡素な「タラタラタラタラ」という伴奏に導かれ天国へ引っ張っていかれるような雰囲気。ここでもハープの音が非常に効果的に用いられている。最後はこれ以上ないというほど穏やかに美しく終わる。
ゲーテもそうなのでが、やはり素晴らしい詩人というのは音楽家の心を刺激し良い音楽を作らせるらしい。色々な歌曲や交響詩などを聴いてそう思った。
2021-12-05 04:09
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