子どもたちのいない世界 [文学 フランス]
題名から結構暗いディストピア小説的なものをイメージしていたのだが、全くそんな小説ではない。しかも長編ではなく短編集。
クローデルが愛娘に贈った作品ということもあり、結構読みやすかった。
初めは一人で読んでいたのだが、愛娘に贈った作品ということを知り、ちょっと難しいかもしれないけど、5歳の息子でも楽しめるかな?と思い、読み聞かせをして一緒に読んでいたら、結構楽しんで聞いていた。普通の絵本と違いほとんど字ばっかりなのだが、しっかりと情景を思い浮かべながら聴いており、ところどころ登場する挿絵をじっくり堪能していた。
子どもに贈った作品とは言え、さるがクローデルといった感じで、結構風刺が効いており、いろいろな角度から物事、社会を切り取っていてかなり楽しめた。
タイトル作品の大人たちへの子供たちを叱ってばかりいる大人たちへの反抗作品であり無限のループにはまっていく「子どもたちのいない世界」や、美しいはずの妖精が何故か説教される「妖精はつらいよ」、世界平和を目指す「ザジのワクチン」、個性とは何かを考えさせられる「白くなりたかった灰色のロバ」、カバンの中身のものたちの視点で話が展開する「でぶのマルセル」などなど、とにかく色とりどりの物語が並んでいる。
結構オススメ。
2022-12-18 06:20
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