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ジェーン・グドール 希望の教室 [その他 本]


希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)

希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)

  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2022/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



子供へのクリスマス・プレゼントの本を探しているときに偶然見つけた本。
高校一年生用の英語の教科書で、ジェーン・グドールと彼女が主催するルーツ&シューツの活動を知って以来ずっと興味を抱いてきた人だ。

彼女がアフリカへ行くまでの話を描いた絵本『Me...Jane』も最高に美しい話だ。

Me . . . Jane

Me . . . Jane

  • 作者: McDonnell, Patrick
  • 出版社/メーカー: Little, Brown Books for Young Readers
  • 発売日: 2011/04/05
  • メディア: ハードカバー



そんな彼女に、ダグラス・エイブラムスと言う人がインタビューを行い、「希望」について聞いた本。
彼女の現在の活動から生い立ち、若者との交流についてなど、様々な側面からジェーンの話を引き出しており、非常に面白い作品となっている。

p.12
「”希望”は往々にして誤解されています。一般的には、ただ何かが起こることを望んでいるだけの、受身の考えのように捉えられがちですが、本当の希望はその対極にあります。本当の希望は、自ら積極的、献身的に行動してこそ得られるのです。
 ~中略~
 この本が、「どんなことでも、何か行動を起こすことで状況はたしかに変わるのだ」と知ってもらえる一助になること、それがわたしの希望です!変えていけるという確かな希望があれば、行動は起こせます。一つひとつの行動を積み重ねていけば、それが力となって、世界を守り、改善していけます。」

p.47
「大事なのは行動を起こすこと。そして、状況は自分たちの手で改善できると理解すること。ひとりの行動に後押しされて、ほかの人たちも行動するようになれば、大勢の仲間がいるのがわかってくるし、地道な行動を積み重ねていけば、もっともっとすばらしい世の中にしていける。そうやって光を広げていくの。すると自然に、わたしたちみんなが、さらに希望をいだけるようにもなる」

p.49
「希望学では、我々が人生において、そして恐らくは社会においても、希望を持ちつづけるために欠かせない要素を四つあげている。その第一は、具体的な”ゴール”、第二はゴールに至る具体的な”道筋”、第三波、ゴールに到達できるという”自信”。そして第四は、途中で遭遇する困難に打ち勝てるよう助けてくれる”サポート”。」

p.80
「多くの人は『自分や自分の家族、あるいは次の株主総会や次の選挙運動にプラスになるかどうか』を基準に決断をくだすけれど、本当に知恵のある人は、『今日、自分がくだす決断は、未来の世代や地球にどんな影響をおよぼすだろう?』って問いかける」

p.82
「母なる自然をこれほどまでに苦しめているのは、知能がたりないからじゃない。未来の世代や地球の健康を思いやる気持ちがないからよ。個人や企業、政府の富や権力を増やすために、短期的な利益に目がくらんだ、完全に身勝手な行動が原因。それから、無分別や教育の欠如、貧困。言い換えれば、頭はよくても、そこに思いやりの気持ちが伴っているようには見えないってこと。真の知恵には、頭と心の両方で理解することが必要なの」

pp..101~102
「問題は、行動を起こす人が全然たりないってことです。社会にしても、環境にしても、直面している問題を認識する人は増えてきているように見えるのに、そのために何かしようという人はどうして増えないのでしょう?」
「一番の理由は、自分たちのしてきたことがあまりにも愚かだったことに打ちのめされて、なすすべがないとおもっているからでしょうね。だからみんな無気力になり、あきらめ、希望を失い、何もしない。でも”誰にでも果たすべき役割がある”ってことを、なんとしてもみんなに理解してもらわなくちゃならない。そう、たとえどんなに小さくても、役割は一人ひとりに必ずあるの。誰だって毎日、地球になんらかの影響をおよぼしている。だから、みんながちょっとずつでも、したほうがいいと思う行動をしていけば、やがてそれが積み重なって大きな力になって、いくつものことが改善されていく。」

p.143
「『地球は祖先から受け継いだものではなく、子孫から借りているものだ』という有名な言葉がある。だけど、わたしたちは子孫から借りてなんかいない、奪ったのよ。」

pp..143~144
「もしもみんなが、自分たちの行動がどんな結果をもたらすかを考えはじめたら、どうなるかしら。たとえば、ものを買うこと。~中略~ その製品が、環境に悪影響をおよぼしたり、動物を傷つけたりしていないかどうか、あるいは、こんなに安いのは児童労働や不当な賃金のせいなんじゃないかってことを、みんなが考えはじめたら?そして、そういう製品を買うのをやめたら?そんな一人ひとりの小さな選択が積み重なっていけば、わたしたちが求める世界の実現へとつながっていくんじゃない?」

p.168
「多くの国では、投獄されたり命を奪われるのが怖くて、政府に半期をひるがえすとこも、不正を声高に非難することもできません。そうした国の若者には、なんと声をかけますか。」
「そんな体制とともに生きていかざるをえないとしても、自分の価値観を守って、日々小さな変化をもたらし、よりよい未来のための希望を持ち続けることはできる――そう言うわ。」

p.272
「わたしたちが自然や動物をないがしろにしつづけていると、いずれパンデミックは必ず起こるー人獣
共通感染症を研究する科学者が前々から発していたこの警告に耳を傾けてさえいれば・・・・・・。けれど警告は無視されました。そしてわたしたちは今、その手ひどい報いを受けているのです。」


数々の言葉が素晴らしく、共感しかない。
是非多くの人に読んで欲しい本だ。
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