ギューゲスと彼の指輪 [文学 ドイツ]
古本屋を見ていたら、偶然見つけた本。プラトンの国家の中で、身につけた人を透明にすることができる指輪の話が出てきて、教科書などでもたまに取り上げられる題材で、戯曲化されたこの本も面白いかな、と思って購入してみた。
リディアの王、カンダウレスはインドから嫁がせた王妃であるロドーペの美しさを人に自慢したくてしょうがないが、ロドーペは、宗教上、親からの教育上?、夫以外の男性に自分の姿を決して見せようとしない。
そんな時、ギューゲスという若くて美しくて強いギリシア人から、自分を透明にしてくれる指輪をもらう。そして、ギューゲスを透明にして、自分の妻をこっそり覗かせ、その美しさを証明する人になってもらおうとする。
ギューゲスは断るが、最終的には実行することになる。
ギューゲスはあまりの王妃の美しさに心奪われるとともに、自分の行ったことの罪深さを感じ、その場で姿を表そうとするが、王妃がすこし感づいただけで、その場は何事も起こらない。
王妃は自分が誰かに見られてしまったことに、罪を感じ、それを王に打ち上げるが、それが実は王のしくんだ仕業だとわかる。
最後は・・・。
悲劇の典型のような感じで次々と人が死んでいくが、登場人物が、少し軽薄なだけで皆心の美しい人物ばかりで、読んでいてとても清々しい気持ちになる。
ストーリーも、あらすじだけ読むと無理矢理感があるが、読んでいるときはあまり違和感を感じない。
旧字体で読みづらい本ではあるが、面白かった。
2023-01-12 08:41
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