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おしゃべりなカーテン [文学 日本 安房直子 あ行]


おしゃべりなカーテン (文学の扉)

おしゃべりなカーテン (文学の扉)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/06/22
  • メディア: 単行本



安房直子の『おしゃべるなカーテン』を再読。次男と寝る前に一章ずつ読んでいった。

洋服屋さんを営んでいたおばあさんが、ふと思い立ちカーテン屋を始める。それを孫のはる子が手伝う話。一番初めに、店にかけるカーテンを作るのだが、そのカーテンが言葉を話しはじめる。お客さんから依頼されたカーテンを作る際に、そのカーテンが色々と助言を与えるという話。カーテンを縫うときに歌う歌があり、それがリズムよく楽しい歌詞で、子供たちも口ずさんでいた。

1. カーテン屋さんのカーテン
◎梅雨時期
おばあさんがはじめて作ったカーテンをまどにかけると、カーテンが話し出す。次の日からずっと雨が降り続きお客さんは来ない。しばらくして、カーテンが「あけて、あけて、外を見て」と話し出す。窓を開けてみると雨が上がっていて空には虹!!!。

2. 海の色のカーテン
◎夏
ある日海で生まれ、海で育ったものの、都会に仕事に来ているお客さんが、海を思い出したいと海色のカーテンを作ってくれ、と頼みに来る。話をする白いカーテンの勧めで、薄いレースを5枚重ねた海色のカーテンが完成する。

3. 月夜のカーテン
◎十五夜?
はる子が野原を歩いていると、ふと声が聞こえる。探すとそこには小さな蝶々。夏の愛だ飛びすぎて疲れているが、日の光、月の光がまぶしすぎて眠れないという。そこで蝶々ように、小さな夜のカーテンを作ってあげる。

4. 秋のカーテン
◎秋
台風がやってきてお客さんは来ない。仕事もする気にならないおばあさんだが、白いカーテンが作りだめしておくことを勧める。一日で55枚も作り、「秋色カーテンできました」と看板を出す。

5. ねこの家のカーテン
◎きんもくせいの香る季節
ある日いい陽気でおばあさんがウトウトしていると、塀の上のねこたちの話し声が聞こえる。色々話しているうちに、リボン模様のカーテンを作って彼らの家に届けてあげることになる。最後に猫から、お土産に半月型の小さなワッフルをもらう。

6. 歌声のきこえるカーテン
◎晩秋
枯葉の季節、なんとなく忙しくイライラしているおばあさん。それに対して白いカーテンが、「かれ葉は散るとき歌をうたうのよ」というが、おばあさんは取り合わない。そんなおばあさんに
「けんかをしているときはだめですね。いそがしすぎるときもだめですね。心がおたがいにすなおで静かなときでないときこえません。」という。そうしているうちにおばあさんは病気に。静かに眠ろうとすると自然の声が聞こえる。

7. ピエロのカーテン
◎クリスマス
町にサーカスがやってきて、ピエロが手品に使うカーテンを求めてやってくる。黒いビロードのカーテンを作ってあげると、ピエロはそれを広げて飛び立ち、星を捕まえに行く。

8. お正月のカーテン
◎お正月
家を綺麗にしてお正月を迎えようと、おばあさんは家中を綺麗に。やっと終わったと思ったら白いカーテンが自分も洗って、と頼む。しかも手洗い。はじめは躊躇したおばあさんも、はる子と一緒に洗ってあげる。新鮮な気持ちでお正月を迎える。

9. 雪の日の小さなカーテン
◎冬
雪の日、カーテン屋さんにおばあさんねずみがやってくる。昔結婚式の時に身につけたベールをカーテンにして欲しいと頼まれる。人間のおばあさんとねずみのおばあさんが協力してベールを作り上げ、最後にお礼としてまほうの針さしをもらう。

10. 春風のカーテン
◎春
ある日、妊婦の若い女性が、あかちゃんの部屋に飾るカーテンを頼みに来る。白いカーテンに進められ若草色の素敵なカーテンを仕上げる。10日後、若い男性がカーテンを取りに来る。前回来た女性の夫で新しく生まれた男の子のお父さん。

最後は風が白いカーテンを揺らし、春の匂いを感じさせて終わる。

一年間の流れに合わせ、小さいエピソードをはさみながら物語を紡いでいくこの話。派手な感じではないが、なんとなく心が温かくなる作品集となっている。あんびるやすこさんは、安房直子さんに影響を受けているのでは?とおもわせる作品集。次男も「これの続きの本はないの?」と読み終わったあとに尋ねてくるくらい楽しい作品だったようだ。
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