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ラ・カテドラルでの対話 下 [文学 その他]


ラ・カテドラルでの対話(下) (岩波文庫)

ラ・カテドラルでの対話(下) (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/07/19
  • メディア: 文庫



下巻は、権力者ドン・カヨの愛人、オルテンシアの死の場面から始まる。

上巻は、時が飛んだり、会話にいろんな場面がはいりこだりとかなり読みづらかったのだが、この下巻は、章ごとに時が行ったり来たりはするが、基本場面や登場人物は塊ごとで一定していてかなり読みやすかった。

上巻でイマイチぼんやりしていたことが、段々と解明されていきいろいろな登場人物の内面や人間関係も分かっていきかなり楽しめた。

階級問題、人種差別、政治的問題、同性愛など、いろいろなテーマを一つの物語に組み込み、ストーリーのおもしろさもあるこの作品。文学手法的にも凝ったものだが、ジョイスやウルフほどわかりづらく読みづらくもなく、結局よくわからない的なところもなく、かなり実験性と、古典的な物語のおもしろさのバランスのとれた良い作品だと思う。作者のリョサがお気に入りの一冊というのも分かる力作であり傑作であると思う。

読み進めるのに忍耐力はいるが、かなり面白い作品だった。
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