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国際エピソード [文学 アメリカ]


国際エピソード (岩波文庫 赤 313-2)

国際エピソード (岩波文庫 赤 313-2)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2023/03/13
  • メディア: 文庫



アメリカへ行った二人の若いイギリス人の従兄弟達が、友人に紹介された、アメリカ人女性姉妹の家で数週間過ごす。そのあいだに、ランベス卿という若い方の男が、ベッシーというアメリカ人女性の妹に恋をする。ランベス卿は、「変なアメリカ女に捕まってはいけない」と心配した母親にイギリスへ手紙で連れ戻される。数ヵ月後、アメリカ人女性姉妹はイギリス、ロンドンへ旅をする。

ロンドン滞在中、ベッシーとランベス卿は頻繁に会い、お互い心を寄せ合うようになるが、アメリカとイギリスの文化の違い、ランベス卿の母親の、チクリと相手を敬遠するような(実は猛烈な)反対に会い、結局二人は結ばれずに終わる。

知的で自由で、ものごとを率直に話すアメリカ人女性と、伝統に縛られ、様々な文化の柵の中で生きなければならないイギリス人男性の対比が非常に面白い。先日読んだ、『小公子』でも、お互いの国がお互いの国に対する偏見を持っており、なかなかそれが乗り越えられない、という同じような感じのテーマを扱っており面白かった。『小公子』は結局、二つの文化が和解して終わるが、これは決裂して終わるのも面白かった。

旧字体を使用しているということもあり、短いが結構読むのに時間がかかる本だった。
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