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あまんきみこセレクション 冬のおはなし [文学 日本 あまんきみこ]


あまんきみこセレクション〈4〉冬のおはなし

あまんきみこセレクション〈4〉冬のおはなし

  • 作者: あまん きみこ
  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2009/12/01
  • メディア: 単行本



教科書に採択された、あまんきみこさんの作品は全部収録されているというこの『あまんきみこセレクション』全5巻を、インターネット中古ストアで手に入れた。

『冬のおはなし』を次男と一緒に夜寝る前読みすすめた。最後の方は飽きてきてしまっていた。彼はあまんきみこさんより、安房直子さんの作品の方が好きらしい。

この本には、長男が図書室から借りてきて、あらためてあまんきみこさんの作品に注目するようになったタクシー運転手松井さんの話「くましんし」が収録されている。

★「松井さん」シリーズでは
①くましんし
②本日は雪天なり
③雪がふったら、ねこの市
④たぬき先生はじょうずです
が収録されている。

この中では、やはり①が出色の出来。

★「えっちゃん」シリーズでは
①ストーブのまえで
が収録。

ストーブの前で、編み物をするおかあさん、そして小さな女の子えっちゃん、子猫のミュウの暖かい団欒。そしてお父さんが仕事から帰ってきて、新しく一年生になるえっちゃんに素敵なプレゼントをする。

★みじかいおはなしでは
①ふたりのサンタおじいさん
②一回ばなし 一回だけ
③おにたのぼうし
④ちびっこちびおに
が収録。

この中ではやはり③が名作。『泣いた赤おに』にも通じる切なくも暖かな作品。

★すこし長いお話では
①すずかけ写真館
②花と終電車
③かまくらかまくら雪の家
が収録

★長いおはなしでは
①ねこん正月騒動記
②ふうたの雪まつり
③花のピアノ
が収録。

①は福岡の地方の言葉を題材にしたユーモアあふれる作品。
②はタクシー運転手松井さんの登場する、子きつねと松井さんの心の交流を描いた作品。長男のお気に入り。
③は安房直子にも通じる、絵画と現実の世界を行き来する話し。

☆あまんきみこの広がる世界へでは
①赤い凧
②うぬぼれ鏡
③北風を見た子

①は傑作。戦前満州へ行った日本人(あまんきみこも含む)に対する自己批判を描いた稀有な作品。
②も考えさせられる作品。善意の行為が達者に対して実は心を傷つけてしまっているかもしれない、というこちらも自己批判を描いた名作。
③は、松谷みよ子の民話の世界にも通じる、超感覚を描いた暖かい作品。

読後じっくり考えさせられる作品が多かった。
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