ゴリオ爺さん [文学 フランス]
サムセット・モームの『世界の十大小説』で紹介されている作品の一つ。
自分の二人の娘を貴族社会の中で、幸せに暮らさせるために、自分の生活や財産を切り詰めながら暮らす、引退した商人ゴリオ爺さんの話。
ゴリオ爺さんと、最後はゴリオ爺さんの最期を看取ることになるウージェーヌが住む下宿屋ヴォケー館の様々な住人たちがそれぞれ良い味を出している。
金はあっても、欲望にまみれ、内面的に腐っている貴族や成功した商人たちに対して、貧しくはあるが、心清らかな人々、脱獄囚ではあるが、真っ直ぐで人々から愛されているヴォートランなどが、対比的に描かれている。
興味深い話ではあるのだが、退屈な描写が多く、結構疲れる本であった。
そしてフランス文学によく見られる描写なのだが、何故結婚している「~夫人」のような人が、夫以外の人と平気で恋愛し、周りもそれを認め、夫もそれを認めるのかよくわからない。以前フランスは、政略結婚をし、本当の恋愛は不倫で行う、といった内容を読んだことがあり、当時からその状況が当たり前だったのだろうが、わかっていてもなんとなく心と体に入っていかない。
私にとってはイマイチだった。
2023-05-19 05:18
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