SSブログ

月の光 [文学 日本 安房直子 た行]


夢の果て: 安房直子十七の物語

夢の果て: 安房直子十七の物語

  • 出版社/メーカー: 瑞雲舎
  • 発売日: 2005/12/10
  • メディア: 単行本



病気で長いあいだ入院している少女がいる。

ある日彼女に小包みが届く。差出人のところには「月の光」としか書いてない。
中には、色とりどりの糸の束と糸巻きのような道具と銀の編み棒。

これは「リリヤン」というものを作るためのものだと少女はすぐに気がつく。リリヤンとは簡単に編める一本の棒。

さっそく編み始めると、看護師さんに、細かい仕事は体に毒だからと止められてしまう。

そこでみんなが寝静まった夜、月の光でリリヤンをあむ。数ヶ月過ぎて5m近くなった頃、「おいで、おいで」と誰かに呼ばれる。窓から外を見ると月の光がさしており、窓の下には白く美しい若者がいる。

窓にリリヤンをくくりつけ、ひもをつたって下へおり、少女と若者は二人で走っていき、月が沈む頃ふたりは消えてしまう。

幻想的で美しくも儚く悲しい話。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。