月へ行くはしご [文学 日本 安房直子 た行]
誕生日に、おばあちゃんにうさぎさんをもらったけい子。おばあちゃんに、満月の夜はうさぎは月にのぼっていってしまうから気をつけるよう言われる。
秋の満月の夜、おばあちゃんの言ったとおりうさぎは窓から逃げて月へ向かっていた。それを追いかけるけい子。コスモスの花たちに、銀のはしごでうさぎが月へ登っているのを教えてもらい、銀のはしごのところへ向かい登っていく。
途中、「パーン」という音がなり、登っていたはずのうさぎたちが消える。振り返ると、銃を手にした猟師の男がウサギを手に持っている。話を聞くと「うさぎ鍋」を作るためのうさぎを取っているとのこと。猟師には二人の娘がおり、二人に一羽ずつうさぎを食べさせたいのでもう一羽必要とのこと。違う場所で、鍋を調理している二人の娘にも合う。
このままでは自分のうさぎを殺されてしまうと思い必死で自分のうさぎを探すけい子。そこへ、黄色い月見草の花たちが話しかけ、「自分たちを摘んでハンカチでもんで、黄色いハンカチにして、それをうさぎの目にかぶせ目隠しすれば大丈夫」という。
はじめは躊躇したけい子だが、月見草の花たちに強く促され実行する。無事自分のうさぎを捕まえ家に連れ帰る。
人間は自然と共に生き、自然の恵みをいただきながら生きていることを優しく知らせてくれる本。地味だが良本だと言える。
2023-08-01 08:50
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