見上げた空は青かった [文学 日本 Modern]
次男と自転車の練習のついでに行った本屋で偶然手にした『ある晴れた夏の朝』という本に興味を抱き、前から少し気になりながらもわざわざ読まなくても良いかなあと思っていた作家小手鞠るいさんの作品を図書館で借りて読んでみた。
ドイツに東欧に住むノエミ(イリス)というユダヤ人の女の子と、風太という日本人の男の子の話。
時は1945年付近。ノエミはナチスに捕まるのを恐れ、家族がバラバラになって隠れ家に住んでいる。風太は東京に住んでいたが、疎開して今は田舎の寺で勤労奉仕をしている。
ノエミには妹がいて彼女の面倒を見ながら必死に生きている。ノエミには、五歳の誕生日の時にもらったおばあちゃんからのプレゼントであるミミちゃんといううさぎのぬいぐるみがあったが、隠れ家へ逃れるときに忘れてきてしまう。
風太にも妹がいたが彼女は死んでしまう。その妹が大事にしていたミミちゃんというぬいぐるみが疎開先へ送られてくる。彼女は妹の思い出と共にそのぬいぐるみを大事にする。
ノエミと風太はどんどん悲惨な状況に追い込まれるが、なんとか耐え抜き最後は・・・。
辛い状況を描いた暗い作品ではあるが、最後は希望を持って終わるのが良い。子どもに安心して勧められる戦争を描いた良著だと思う。
2023-08-10 17:29
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