ある晴れた夏の朝 [文学 日本 Modern]
偕成社という児童書を多く扱っている出版社から出されている本で、偶然本屋で手に取り、面白そうだったので図書館で借りた本。
アメリカのmiddle schoolの生徒たちが夏休みに、自分たちで「広島長崎への原爆投下は本当に必要だったのか」という題目でDebate(Discussion)大会を企画し、それをcity hallを借りて市民たちに見てもらい投票などしてもらうことにより、「戦争と平和を考える」ということを皆にしてもらいたいというもの。
正直日本ではこんな企画ほぼ皆無なんだと思うのだが、アメリカでは結構普通に行われたりしているのだろう。かなり意識高い系の生徒たちだなあ、という感じ。
4対4のDebateでしかも一週間に一回、4週にわたって行われるというかなり大規模で気合の入ったもの。優秀なふたりの白人男性、かなり意識高い系の平和運動家の女性、日本系二人、ユダヤ系、中国系、アフリカ系と様々な人種を登場人物として配し、それぞれの立場から興味深い論を展開させている。
原爆投下に関する、私が知らなかった様々な情報も盛り込まれており、かなり勉強になった。そして最後の4回目の自由プレゼンテーションでの模様は感動的ですらある。
著者はアメリカ在住ということらしいが、アメリカで住んでいないとなかなかこういう発想は出てこないよな、という論点が目白押しでかなり勉強になるとともに深く考えさせられた。
あまり知られていない作品なのかもしれないが、非常に読みやすいが、内容はかなり深く勉強になるので、是非多くの中高生に、小学生に読んでもらいたい作品だ。
2023-08-14 05:03
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0