天の鹿 [文学 日本 安房直子 た行]
再読
鹿撃ちの名人である、清十という漁師がいた。ある日立派な牡鹿を見つけ撃とうとするが「通してくれ。かわりに、たくさんお礼をしよう」「すばらしい宝ものをあげるから」と言われ鹿を殺さず鹿についていく。
鹿の背に乗って離山まで行き、鹿の市まで連れて行かれる。そこで金貨一枚をもらい、鹿の市で売られているものはすべて金貨一枚と交換できるから一時間で買い物をして帰ってくるよう言われる。
清十さんは紫水晶の首飾りと交換して家に帰る。
彼には三人の娘がいる。一番下の娘は一度病気をした時に、鹿のきもを食べて治った経験がある。
その後娘たちも鹿に出会いそれぞれ鹿の市に連れて行ってもらう。
一番上の娘は、美しい花柄の絹の反物と交換するが、帰り道花柄がすべて飛び散ってしまう。
二番目の娘は、高価なものと交換しようと思っていたが、あたりの暗さにビビって結局ランプを購入する。しかし最終的にランプは地に落ちて壊れてしまう。
三番目の娘も、同じように鹿の市に連れて行ってもらうが、この娘だけは山を超え大変な思いをしている鹿のことを心配したり思いを寄せる。三番目の娘が自分のきもを昔食べたことを知り、二人は結ばれ天へと・・・
かなり余韻を残す美しい物語。
2023-08-18 10:18
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