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生のみ生のままで 下 [文学 日本 綿矢りさ]


生のみ生のままで 上 (集英社文庫)

生のみ生のままで 上 (集英社文庫)

  • 作者: 綿矢りさ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/08/04
  • メディア: Kindle版



無理矢理事務所に仲を引き裂かれ、それぞれが自分のやるべき仕事に尽力する彩夏と逢衣。
彩夏が最悪の状態になったあとの、愛情を二人が取り戻していく過程がとても美しい。

家族に理解されきらない、まわりにふたりの関係を完全にオープンにできない、など同性愛につきものの様々な状況はあるものの、最後は明るく希望に満ちた感じで終わるのがとても良い。

三浦しをん『ののはな通信』、小川糸『にじいろガーデン』そしてこの綿矢りさの『生のみ生のままで』、三冊とも女性による同性愛を扱っているが、『ののはな』は社会的、『にじいろ』は家族的なものに焦点を当てているが、この『生のみ』は完全にふたりの関係に焦点を当てている感じだった。

下巻は一気に読んでしまった。

p.82
「私は完璧じゃない。だから他人にいくら笑われてもしょうがない。でも自分だけは自分を笑っちゃいけない。私の頑張りを一番近くで見ているのは私だから。」

この言葉が物語の展開とは関係なく非常に心に残った。
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