この夏の星を見る [文学 日本 辻村深月]
数年前、東京新聞で連載されていた物語。それまで辻村深月という作家は知っていたが、あまり読んでみようとは思っていなかった。しかし、この話が連載される前に、あらすじのようなものが掲載され面白そうだがらと読み始めた。はじめからその世界へにひきこまれ毎日この話を読むために新聞を開けているような感じになった。そして彼女のその他の作品も読んでみようと思った。連載が終わる時は非常に残念で、早く単行本化されないかな、と思っていたら、結構早く単行本化され、早速図書館で借りて読み直した。
ストーリーはコロナ禍の中高生の話。それぞれの悩みを持つ、長崎、茨城、東京(渋谷)の中高生たちが、様々な紆余曲折を経て、自分たちで望遠鏡を作って星を見るという「スターキャッチコンテスト」というのを自分たちの手でオンラインで連絡を取り合いながら作り上げるというストーリー。生徒を助ける先生たちもそれぞれ魅力的だし、登場人物ひとりひとりもとても暖かで優しく良い子ばかりだ。付き合うまでにはいたらないが、それぞれの恋模様も描かれており素晴らしい青春小説となっている。
私は中でも五島という長崎の島の高校生たちのストーリーが好きで、佐々野円華という一見おとなしいが様々なことを考える心優しい女の子と野球部のエース武藤のその後が気になる。
本当に素晴らしい作品だと思う。
2023-09-11 04:53
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