大地 中 [文学 フランス ゾラ]
フーアン爺さんが自分の土地を二人の息子と娘に分け、その後妻が死に、年寄り二人で住んでいた家を出て子どもたちの家を転々としていく話。子どもたちは結局自分たちが一番大事で、爺さんのお金にしか興味がない。その人間の暗部をこれでもか、と描いており結構読んでいると嫌な気持ちになる。
話はこれに加えて、フーアンじいさんの次男ビュトーと結婚したリーズ、そしてその妹フランソワーズ、そしてこのリーズとフランソワーズに密かに想いを寄せるジャンの話が交わってくる。ビュトーとリーズ夫婦と一緒に住むフランソワーズが、姉がいるすぐ近くで、その夫ビュトーに犯されそうになる場面(しかもこれが何度も)などは本当に読んでいて気持ちが悪い。
とはいえ、『居酒屋』『ナナ』ほどの気持ち悪さはなく、ジャンとフランスワーズが結構潔癖な感じでなので、まだ良い。
当時の政治状況、農民たちの苦悩など、社会問題も扱っており、それなりに興味深く読める。
あとは最後の下巻だけ。
2024-02-21 18:44
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