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作家になりたい④ 童話みたいにいかないね [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


作家になりたい! 4 童話みたいにいかないね (講談社青い鳥文庫)

作家になりたい! 4 童話みたいにいかないね (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/08
  • メディア: 文庫



『作家になりたい』4巻を読み終わった。
主人公未央とその憧れの人雪人さんが、くっつきそうでくっつかない感じがなんだかじれったくてとても良い。
今回も、様々な文章を書く際のヒントが詰まっており、勉強になった。
敬語に関してもなるべく自分は注意して使っているつもりなのだが、結構危ないときがある。特に電話なんかではワケがわからなくなる。
「あとでこちらからお電話いたします」とかって結構言ってしまうのだが、電話するのは自分なのだからやっぱり「お」電話は、おかしいよなあ・・・、とかとか。

今回結構いい言葉があったので紹介したい。

p.129
「だれかを、仕事を、誠実に愛し続ければ、努力すれば、それは長く続く。そして、結果、運命の仕事や運命の相手になる。でも、それは自分の意志でするのよ。」

作家志望の未央に、プロの作家真しろ先生が言った言葉。何かを得ている人はそれなりに努力をし、自分の意思で何かを切り開いているということだ。
親の七光りで権力の地位についている人はどうなのだろう、とふと考えた。が、彼らも自分の意思で、親の七光りを受け入れているからいいのか????

そしてあとがきにもいい言葉が。

p.183
「人は自分がほんとうに好きなものについて書けば、面白い文章が書ける!
 そして、それを伝えたい相手が誰か、はっきりとしているとさらにいい。
 その二つさえ、ちゃんとしていれば、誰にでも、いい文章は書けるんですね。」

私は職業柄多くの人の文章を読む。その大半がつまらない。その中でも面白いと感じるものは、やはり書いている人自身が本当に好きなものについて書いている時だ。大人が書いた文章でも意味がわからないものも多く見る。これは伝えたい相手が不明瞭なときに多い。誰にあてて書いているのか、わからないまま書いているからわからなくなるのだが。私は伝えたい相手がいないままに文章が書ける人が羨ましい。

とここまで書いて、このブログというものもある意味、伝えたい明確な相手はいない。と思うと、このブログを見てくれている人にとっては、つまらない文章なのかなあ、などと少し考えてしまう。

なんにしろ、かなり面白くなってきた。早く次の巻が読みたい。
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作家になりたい③ 恋愛バトルはホラー小説 [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


作家になりたい! 3 恋愛バトルはホラー小説 (講談社青い鳥文庫)

作家になりたい! 3 恋愛バトルはホラー小説 (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: 文庫



ライヴァルに彼のふりをしてもらっているのがバレてしまった主人公宮永未央。しかしそのことで更に未央と雪人の仲は深まっていく。すご~く分かりやすい恋愛小説でとても良い。

今回とっても良い言葉があったので紹介したい。

p.102
「おねえちゃんみたいに、マイナスの経験をした人は有利なの。していない人は、そういう人の気持ちがわからないの。わからないことすら、気がつかずに生きていくんだから。」

これは、双子の弟妹が、作家を目指す姉未央に送った言葉なのだが、これはすべてのことに当てはまる気がする。

政治家や官僚、企業のお偉いさんがたの政策がなんとなくいつも的外れなのは、恵まれた守られた人生を歩んできた人が多いからなのだろうと思う。おそらく、人それぞれ様々な経験をし、マイナスの経験もしてきているのであろう。しかし圧倒的に権力の中枢にいる人は、様々なことに対する想像力が足りない気がするのだ。彼らは限られたコミュニティーの中で、価値観が同じような人々と多く接してきたからなのだろう。

社会の中で生きていくということはとても難しい。しかしそれでも強く生きていかなければならないのであろう。

p.100
「自分の弱い心に負けないようにするのよ。強くならなきゃ。ね?」
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作家になりたい② 恋からはじまる推理小説 [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


作家になりたい! 2 恋からはじまる推理小説 (講談社青い鳥文庫)

作家になりたい! 2 恋からはじまる推理小説 (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: 文庫



『作家になりたい』第二巻を読み終わった。主人公宮永未央と、未央が恋する相手池沢雪人の距離が縮まっていく過程を、喫茶店、彼の家、遊園地などを用いて描いていくのだが、本当になんということのない展開なのだが、主人公の内面がコメディタッチで深く描かれていて、読んでいくうちに彼女の内面に入り込んでいってしまい、最終的にはあっという間に読み終わっている。

本当に読ませるのがうまい作家だな、と思う。中高生の女の子に大人気というのもわかる。

雪人さんに、彼の“ふり”をしてもらっていたのがバレてしまったところでこの巻は終わる。
この後の未央と雪人さんの関係の深まりがとっても楽しみだ。
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作家になりたい① 恋愛小説書けるかな? [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


作家になりたい! 1 恋愛小説、書けるかな? (講談社青い鳥文庫)

作家になりたい! 1 恋愛小説、書けるかな? (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 文庫



『泣いちゃいそうだよ』シリーズで有名な小林深雪さんの新しい小説。
『エトワール!』のスピンオフが入った『チェンジ』に一緒に載っていた作品で、それなりに面白かったので読んでみた。

『ふしぎ古書店』ほど、深い感じではないが、『泣いちゃいそうだよ』シリーズと同じく、主人公にすごく共感できるというか、とても好感が持てる主人公なので、あっという間に読めてしまう。
小説を書く際のヒントとなるようなことが多々載っているのだが、これは小説を書くということに限らず文章を書くということ全般に言えることも多く、色々と勉強になった。

小林深雪さんの作品の登場人物は本当に良い人が多く、いつものことながら安心して読める。

一応『作家になりたい』の既刊作品は全部読んでみたいと思った。
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いいこじゃないよ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


いいこじゃないよ 泣いちゃいそうだよ(3) (講談社青い鳥文庫)

いいこじゃないよ 泣いちゃいそうだよ(3) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/02/15
  • メディア: 新書



小川蘭中学二年生の物語。
まさしくこの子はHSPだとわかる一年間。
常に相手や周りの人間がどう思うかを感じ取り考え、相手と軋轢を生まないように行動し、他人の一つ一つの言葉や行動に敏感に反応し、傷つき、ずっと考え込んでしまう。まさに女の子版の自分を見ているようだった(自分はこんなに美形でもないし、ピアノもこんなにうまくないし、頭もこんなに良くないが・・・)。

常に、自分の気持ちに正直にと思うのだが、結局それを行動に移せない。たまに思い切って行動に移すと思ったよりもうまくいってホッとするのだが、結局また自分の気持ちを抑え続ける。その繰り返し。

彼女が最後に思ったように、周りの人間は、自分が思っている以上に大きくて深い。彼女がそれに最終的に気づくことになったきっかけの蘭を称した両親の言葉。

p.204
父「蘭は妹だから、ほんとは甘えんぼなんです。しっかりなんかしてないんです。」
母「でも、いつも、親に心配かけまいと、必死で我慢してくれているんです。」

誰かがこんなことをわかってくれているなら確かにこれからも頑張れるようなあと思う。が、結局自分の気持ちを抑えることが続くとまたまた陰鬱としてくる。結局これの繰り返し。

小川蘭、実在の人物ではないのだろうが、本当にこの子にとって生きていくことって大変なんだろうなあ、と同情するとともに、先にも書いたがひどく共感した。
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ホンキになりたい [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


ホンキになりたい 泣いちゃいそうだよ(7) (講談社青い鳥文庫)

ホンキになりたい 泣いちゃいそうだよ(7) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/08/09
  • メディア: 新書



ないちゃいシリーズ第7巻、『ホンキになりたい』を読み終わった。このシリーズ、色々な主人公が出てきてかなり沢山あるみたいなので、小川凛・蘭姉妹の物語だけでやめておこうと思う。

妹・蘭の中学一年時、と姉・凛の中学三年時の一時を描いた作品。
蘭の恋心に揺れる気持ちも、とてもよかったが、凛が妹と比べられるのが嫌で、小さい頃にやめてしまってそれがずっと心残りになってしまっているピアノを、蘭の友人天才ピアニスト修ちゃんのおかげで「もう一度やってみよう」と思えるまでの気持ちを描いた物語は本当に素晴らしかった。ある意味トラウマ克服物語のようなものとなっている。

修ちゃんが凛にいう次の言葉がとても素晴らしい。
p.p.201~202
修「なあ、凛ちゃんは、楽して生きたい?」
凛「そりゃあ、苦しいより楽な方がいいよ。」
修「でも、楽に生きるのと、面白く生きるのは、別なんだよね。兼ねられないんだよね。」
凛「え?」
修「楽だけどつまんないのと、つらいけど面白いのだったら、オレは、断然!面白い方を選ぶな」

すさまじく同感だ。
さすが、天才ピアニスト。素晴らしい才能・パフォーマンスが魅せられる人というのは必ずどこかで人には真似のできないほどの努力をしている。努力は辛い、でもその先に見られるかもしれないものはとても貴重で素晴らしいものだ。

常に努力することの大切さを教えてくれるこのシリーズ。進研ゼミのシリーズから生まれているからというのもあるとは思うが、人をやる気にさせてくれるという意味でとても良い作品だ。

よく、こんな様々なヴァリエーションで物語がかけるものだと思う。

とっても面白かった。

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ほんとは好きだよ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


ほんとは好きだよ 泣いちゃいそうだよ(5) (講談社青い鳥文庫)

ほんとは好きだよ 泣いちゃいそうだよ(5) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/12/15
  • メディア: 新書



泣いちゃいそうだよシリーズ第5巻、『ほんとは好きだよ』を読み終わった。
こちらは、1,2,4巻の主人公、小川凛の妹小川蘭が主人公の物語。
ピアノ、テニス、勉強、なんでもできる優等生で性格も優しい蘭。優しく格好いい彼氏もいる。そんな誰もが羨むような女の子だが、友人たちの嫉妬、誤解、恋人とのけんか、親との感情の行き違い、など様々な心の葛藤を描いている。
本当にどこにでもありそうなエピソードを、非常に細かく、主人公蘭の視点から描き出している。これを読んでこの主人公を好きにならない人間がいるのか、と思うくらい、繊細で良い子だ。

この主人公が最後に中学卒業式で答辞をを読む。その最後の言葉が素敵だ。
「最後に、『試練を乗り越えないと人は成長しない』この言葉をみんなに送ります。」
様々な挫折を赤裸々に語った後のこの言葉、実際、生で聞いていたらかなり心に響いたであろう。

講談社青い鳥文庫、見た目のあまりのポップさからかなり敬遠していたシリーズだが、とっても良書が揃っていると思う。

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エトワール!3 眠れる森のバレリーナ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


エトワール! 3 眠れる森のバレリーナ (講談社青い鳥文庫)

エトワール! 3 眠れる森のバレリーナ (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/10/12
  • メディア: 文庫



『エトワール!』三巻を読み終わった。
今回は、コンクールがテーマ。
サッカー少女だった妹のジュンが、姉の主人公めいのバレエをやっている姿に憧れ、自分もバレエを始める。初めは嬉しかっためいだが、元々運動神経の良いジュンにどんどん追いつかれていく。

作者がこの作品、このストーリーを通じて伝えたかったことは次の文に集約されているのだと思う。

p.165
「バレエはね、誰かと自分をくらべたり、テクニックを競いあったりするものじゃないのよ。」

p.166
「コンクールだって、誰かと競って順番を決めるためにあるわけじゃないわ。」
「バレエのコンクールは、ひとつのヴァリエーションを練習することを通して、自分の長所も短所もよく知って、自分の踊りを磨くためにあるの。コンクールに出るのは、自分を高めるためよ。」

これは、バレエだけでなく、すべての芸術に言える。いや、芸術に限らず勉強・スポーツあらゆる分野に言えるのではないか。結局人生において、自分を常に高めていなくてはならない。そして誰かと比べて優劣をつけるものでもない。人には長所短所がある。それを自分で認識し、自分を受け入れ、生きていくことこそ大切なことなのではないだろうか。

登場人物の心の動きが丹念に描かれており、この3巻もとても良かった。
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ひとりじゃないよ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


ひとりじゃないよ 泣いちゃいそうだよ(4) (講談社青い鳥文庫)

ひとりじゃないよ 泣いちゃいそうだよ(4) (講談社青い鳥文庫)

  • 作者: 小林 深雪
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/06/16
  • メディア: 新書



中学を卒業し、高校に入学するまでの春休みを描いた作品。
初めはラブラブな感じで、鎌倉旅行をし、鎌倉に住む崇のおじいちゃんにも紹介された凛。明るい話は進むように思われたが・・・。

今回はイジメがテーマ。中学生に結構あるであろうと想像される女子のイジメ。

陰鬱になりそうな話だが、とにかく小川姉妹(凛・蘭)が良い子で一生懸命すぎる。
そして最後、話は鎌倉に収斂されていく。確かに出来すぎた話なのだが、これはこれでありなエンディングだと思う。

結局この話を通して筆者が伝えたかったことは、自分を肯定し、自信を持とうということだと思う。何が起ころうともどこかに味方はいるし、自分を信じ、自分を信じてくれる誰かを信じることで生きる勇気は生まれてくるということだろう。

とても共感した言葉は、いじめられて自殺してしまうことに対して言った、小川蘭の含蓄あるひとこと。

p.92
凛「じゃあ、死んだところで、イジメっ子は改心なんかしないってこと?」
蘭「しないよ。死んで悲しむのは、家族とか一部の心優しい子だけだと思うよ。自分が悲しませたくない人だけが、悲しむ。それが自殺だと思う。」

中学2・3年生とは思えない言葉・・・。しかし全くその通りだと思うのだ。結局苦しむのは、苦しんできた人、そして感じやすい心優しき人間ばかりで、鈍感な人間というのは何も感じないことが多い。
非常に不公平感を感じてしまう。

しかし、そんな世の中でも、自分を信じ、前向きに生きていこうということをメッセージとして送っているのであろう。

こちらも良書だった。
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もっと泣いちゃいそうだよ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


もっと泣いちゃいそうだよ (講談社青い鳥文庫)

もっと泣いちゃいそうだよ (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/16
  • メディア: 新書



泣いちゃいそうだよシリーズ、第二巻、主人公凛と広瀬崇の中学三年生の生活を描いたもの。クラス分け、修学旅行、定期テスト、夏祭り、クラブ活動・引退、クリスマス、高校受験など、一つ一つの小さな行事と二人の関係性を織り込み、細かく主人公凛の心の揺れを描き出しており、相変わらず皆それぞれが性格がよく、すれ違いなどもありながらもハッピーエンドに向かっていく。

様々な出来事を通し、周りの人間たちの心の苦しみにも想いを寄せ、心身ともに成長していく凛は本当に見ていて(読んでいて?)清々しい。これだけ良い子ならいろんな男の子に想いを寄せられるのもわかる気がする。

努力も最終的には報われ良い気持ちで読み終われた。

とても良かった。
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泣いちゃいそうだよ [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


泣いちゃいそうだよ (講談社青い鳥文庫)

泣いちゃいそうだよ (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/04/15
  • メディア: 新書



最近、講談社青い鳥文庫にはまっている。

東京新聞にも書評のようなものを書いており、『作家になりたい!』という作品を講談社青い鳥文庫から出している、小林深雪先生の『泣いちゃいそうだよ』を読んだ。
1冊を12ヶ月にわけ、ある中学二年生の女の子の一年を追った作品。それぞれの月で泣いちゃいそうなエピソードが書かれている。読んでいるうちに確かにこういう状況あるある、という感じで、まったくわざとらしい感じがないが、とても感動的な話ばかりで、この絶妙の描き具合が、非常にうまいなと思わせてしまう。

主人公の凛ちゃんが、容姿も様々な能力的にも非常に平凡な子で、こういった子が一生懸命努力して様々な苦難に合いながらも、いろいろなことをやり遂げていくストーリーがとても読んでいて心地よい。出てくる登場人物も基本的に良い子ばかりで、読んでいて安心して読める。

私はやはり、こうした普通の子が努力して愛や夢を掴み取る物語は大好きだ。読んでいて安心して主人公を応援しながら読める作品が多い講談社青い鳥文庫。とても良いシリーズだと思う。
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エトワール!2 羽ばたけ!四羽の白鳥 [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


エトワール! 2 羽ばたけ! 四羽の白鳥 (講談社青い鳥文庫)

エトワール! 2 羽ばたけ! 四羽の白鳥 (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/12
  • メディア: 文庫




今回は、有村バレエスクールの5年生4人の女の子が、「白鳥の湖」第二幕、「四羽の白鳥」を、フェスティバルでみんなで踊るというのが話の軸になっている。

前巻の「くるみ割り人形」は、主人公めいの個人的な成長物語だったが、今回は、「みんなで心をあわせて何かを成し遂げる」ということがテーマになっており、四人の友情がとても美しく描かれている。4人の個性もうまく描き分けられており、それぞれがみな魅力的な人物となっている。

こどもと3週間くらいかけて読んだが、途中2~3度泣きそうになってしまうくらい、感動的な場面があった。何かに一生懸命に取り組むことは本当に美しいことなんだと改めて気づかされる作品だ。

本当に良書で、小学生にぜひ勧めたい本である。
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チェンジ! [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


おもしろい話が読みたい! チェンジ! (講談社青い鳥文庫)

おもしろい話が読みたい! チェンジ! (講談社青い鳥文庫)

  • 作者: 梅田 みか
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: 新書



昨年末、長男と、『エトワール』という講談社青い鳥文庫から出ている、バレエ小説を読み、結構面白かった。色々と検索しているうちに、昨年の11月に、その「エトワール」の話も入った、この『おもしろい話が読みたい!チェンジ!」という人気シリーズの作品がいっぺんに読めちゃうよというこの本を見つけ、息子のクリスマスプレゼントに買ってあげた。

『エトワール!』バレエを頑張る女の子の話
『作家になりたい!』作家を志す女の子の話
『ねこやなぎ食堂』これはよくわからないが、祖父の喫茶店を手伝いながら、特別な誰かのために、特別な食事を作ってあげる、というような話
『すみっこ★読書クラブ』クラスで目立たない子が、読書クラブに誘われ入り、そこでの活動を描いた作品。

やはり、エトワールは本編を読んでいるだけあり、とても面白く、息子も楽しんでいた。『作家~』と『~食堂』は結構大人の恋愛を描いており、私はそれなりに楽しめたが、息子はダメだったっぽい。最後の『~読書クラブ』は色々な本が紹介されており、読んでみたくなった作品もあった。

とにかくどの主人公、登場人物も何かに一生懸命で、みなまっすぐでとても読んでいて気持ちが良かった。とはいえ、一つ一つが短く、イマイチだったので、やはり本編を読みたいと思った。特に、『すみっこ★読書クラブ』は興味深そうだった。とはいえ、『~食堂』『~読書クラブ』はまだ一巻しか出ていないらしい。それって人気シリーズと言えるのか???と少し疑問には思ったが・・・。
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エトワール!1 くるみ割り人形の夢 [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


エトワール! 1 くるみ割り人形の夢 (講談社青い鳥文庫)

エトワール! 1 くるみ割り人形の夢 (講談社青い鳥文庫)

  • 作者: 梅田 みか
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/11/11
  • メディア: 文庫



バレエを主題にした子供向けの小説。本屋で見つけてずっと気になっていた。子供が小学校の図書室から借りてきたので一緒に読んだ。

街の小さなバレエ・スクールが開業10周年を記念して、発表会で『くるみ割り人形』を上演するというもの。

バレエ・スクールに通う子供たちのチャラクターが上手く描き分けられており、バレエ・スクールの友人、学校の友人も色々な性格を持っており、とても楽しく読めた。

バレエの技は正直よくわからないところも多いのだが、ストーリーなどはDVDで観てよく知っているし、それぞれの場面もある程度頭に描けるし、舞台などもそれなりに自分でも経って、舞台袖の感じもわかっているので、練習場面や本番場面も結構リアルに想像でき楽しむことができた。

「魔法の庭」シリーズもそうなのだが、子ども向けの小説だけあって、登場人物たちがとても良い人ばかりで、とても安心して読める。平凡な子が努力して素晴らしいことをやり遂げる、という主題もとても共感できる。

主人公のめいに、先生が言った言葉。
「実際、クララになれるかどうかより、クララになりたいと思って努力を続けることが大事なんだ。」(p.147)
先生がめいのお母さんに言った言葉。
「舞台芸術の一員になった経験は、かならずその子の中に一生残ると思うの。その経験が種になって、バレエ以外の世界で生きることになったとき、違う形で花を咲かせることもあると信じてるんです。」(p.160)
先生が本番を終えためいに言った言葉。
「主役を立派に務めた経験は、あなたの今後にきっと生きる。」(p.253)
本番をおえ、腑抜けになってしまっためいに先輩の透くんが言った言葉。
「おれはカーテンコールの時、次に何を踊りたいか考えてる。」(p.263)
そして最後に先生が子供たちによく言う言葉。
「練習量は決して自分を裏切らない。」(p.143)

なんでもそうなのだが、努力の過程が尊いのであり、結果が良いものであったから素晴らしいのではなく、その結果が次に生きてくるから素晴らしいのだ。

そして最後の言葉は私が陸上部の顧問時代に生徒によく行っていた言葉。「練習は裏切らない」と。

とにかくセリフの一つ一つが感動的でとても良い小説だった。子どもにも安心して、そして積極的にオススメ出来る作品だ。
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