黄金狂時代 [映画 チャップリン]
今、Mark TwainのThe Adventures of Tom Sawyerを読んでいる。私は一応、英語に関係のある仕事をしていて、日常的に英語は目にはしているのだが、やはり洋書を読むのは時間がかかる。だいたい日本語で読むスピードの2~3倍はかかってしまうのだ。しかも仕事の帰りで疲れている時などは文章がなかなか頭に入ってこず、読む気が失せてくる。なので、さらに読み終わるまでに時間がかかる。
さらにこの本は、The Adventures of Huckleberry Finnとセットになった本なので読み終わるまでにかなりの時間がかかることが予想される。
そこでこれからしばらく私の好きなチャップリン映画を紹介したいと思う。
始めは「黄金狂時代」である。本当は年代順で「キッド」から紹介したいのだが、昨日たまたま黄金狂時代を見たので、黄金狂時代から始めたい。
はじめこの映画は500円DVDでみた。汚い映像、訳の分からない金属音のようなものがバックに流れていて、正直、あまり好きになれなかった映画だ。
私はチャップリン映画をほとんど500円DVDで見ていた。しかしあまりにも素晴らしいので、紀伊國屋書店から出ているDVDを買いなおそうと考えた。
しかし、「黄金狂時代」はつまらないので買おうか買うまいか迷ったが、せっかくなので買ってみた。
そして一番期待していなかった作品なので一番に見てみたのだが、素晴らしかった。
まずは映像が明らかに鮮明になっており、見やすい。
さらに1940年代になってからチャップリン自らが入れ直した、ナレーションと音楽があるため、非常に見やすい映画に変わっていたのだ。
チャップリンのパントマイム、(動きだけで感情が手に取るようにわかる)、そして作品に込められたメッセージ、全てが素晴らしかった。
チャップリンは盗みやだましなど、一般に悪とされていることに対して、それを悪いという形で描いていない。それよりも本質的に悪いもの、そうした細かい悪を生み出す、一見善に見えるような巨大な悪を、描き出しているのだ。
黄金は確かに人を幸せにするかもしれない。しかし、それは見せかけの幸せに過ぎない。本当に人を幸せにするのは愛なのだ、ということを最後のハッピーな結末で我々に伝えてくれているのではないだろうか。
貧民街で幼少期を過ごしたチャップリンにしか描けない、善のあり方がそこに見える。それはディケンズが描いた幸せと相通ずるものがある気がするのだ。
一途に思い続ける心が幸せをもたらすことを見せてくれる素敵な映画だ。
2015-12-14 11:54
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