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第13挿話 [文学 アイルランド Ulysses]


Ulysses (Wordsworth Classics)

Ulysses (Wordsworth Classics)

  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Kindle版



第二部
第13挿話
私が英文から読み取った、起こっているであろう出来事

〇登場人物
Cissy Caffrey
Tommy Caffrey
Jacky Caffrey (TommyとJackyは双子)
Edy Boardman (the baby)
Gerty MacDowell
〇Cissy, EdyがTommy, Jackyが海辺で遊んでいる様子を見ながらthe babyをあやしている。
〇その様子を一人離れた若干離れたところからGertyが見ている。Gertyは自他ともに認める美女らしく、彼女がいかに美しいか、自分の美をどれほど意識しているかが詳しく描写される。

基本的に、この章の前半は、
①Cissy, Edy, Tommy, Jackyの海辺で戯れている様子の描写
②Gertyの内面の描写
が交互に現れる。近くに教会があるっぽく、その描写がところどころに入ってくる。

〇EdyがGertyのことをじっとみつめる怪しげな男を見つけ、それをGertyに知らせる。
〇Gertyはその男と視線を合わせたり、視線を感じ、色々と妄想を膨らます。
〇TommyとJackyが遊んでいたボールがその男の方に行き、その男が投げ返すが、それがGertyの方へ行ってしまう。GertyはそれをTommyとJackyのところに蹴ろうとするが失敗する。
〇Edyが今何時なのかを知りたくてCissyに聞くが、Cissyもわからず近くにいるおじさんのPeterに聞きに行く。すると夜の8時であることがわかる。
〇遠くで花火が始まり、Caffrey家の三人、Edyは花火を見に行く。Gertyも誘われるがその場に残る。
〇Gertyと彼女を見つめる男がその場に残される。Gertyは男の視線を感じ、足や腕を男にわざと見せる。後ろで花火が派手に打ち上がっている。
〇その見ている男がLeopold Bloomだとわかる。Gertyはハンカチをポケットから取り出し、Bloomに向かって振り、笑いかける。
〇その後Bloomの内面の描写が延々と続く。その中で洋服のこと、香水のことなどが話に出る。

Gertyはかなり自意識過剰。自分は男なのでよくわからないが、美しい女性で、その美しさを自覚している女性はみなこんな感じなのかなあ、と思ってしまった。
Gertyが恋愛のことを色々考えている裏での教会の描写、GertyがBloomの目を楽しませている最中の花火の描写など、聖と俗の対比、目を楽しませるということでのパラレルな描き方など、本当に面白かった。特に前者はプッチーニ作曲の『トスカ』の第1幕の最後の場面で、教会の賛美歌が後ろで流れている最中に、男が女を誘惑する場面を彷彿とさせた。
双子のボールがBloomのところへ行ってしまった場面など、とても映画的な感じがした。
アイルランドの6月ってどれくらい暖かいのかわからないが、赤ちゃんをつれて8時に遊んでいるんだなあと思った。自分が夏(7~8月)に行った時は確かに9時過ぎまで明るかったが、でもねえ。まあ、100年違うと感覚も違うのかもしれませんね。
 いつもそうなのだが、Bloomの内的描写になると途端に読めなくなる。何でなのかと考えたのだが、おそらく脈絡の無い文章というのは頭に入ってこないということなのだと思う。日本語で読んでいても、自然の描写はやはり読みづらく結構文字をおっているだけになるし、取扱説明書の類も一切頭に入ってこない。やはりある程度のストーリーがあるというのはすごく大事なのだと思う。これは人間の会話にも言える。脈絡のない話をする人とは会話をしていてもつまらないし、講演などを聞いていても飽きてしまう。
 などなど物語とは関係ないことを色々と思ってしまった。このなにかのきっかけで考えたことを全て文字化しているのがこのUlyssesなんだとは思うが。

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