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The Sign of Four [文学 イギリス Sherlock Holmes]


Sherlock Holmes: The Complete Novels and Stories Volume I

Sherlock Holmes: The Complete Novels and Stories Volume I

  • 作者: Sir Arthur Conan Doyle
  • 出版社/メーカー: Bantam Classics
  • 発売日: 1986/12/01
  • メディア: ペーパーバック



Sherlock HolmesとWatsonの2つ目の事件The Sign of Fourを読み終わった。

依頼主はある女性。彼女の父親はインドで働いていたため、自分はイギリスのBoarding Schoolで過ごしていた。ある日父親がイギリスに帰ってくるということであるホテルで待ち合わせをすることに。しかし行ってみると父親は来ない。そのまま父親はずっと帰ってこない。数年経ったある日、彼女に突然宝石が届く。その後も同じ日に宝石が届く。数年経ったある日、送り主が彼女に会いたいと行ってよこしてくる。不安に思った彼女はHolmesに相談。HolmesとWatsonと彼女はその送り主に会いにいく。
会いに行った先の屋敷で殺人事件が起こっている。犯人は義足の男だということをHolmesはすぐ突き止めるが、なかなか本人にまでは行き着けない。テムズ川での船上での凄まじいバトルを経て遂に犯人は捕まる。そして犯人が殺人に至るまでのいきさつを事細かに語る。いろいろな因縁が入り乱れて世代を通り越して殺人事件が起こるあたり、Sidney SheldonのThe Master of the Gameを彷彿とさせる。
犯人が捕まった後に、犯行に至るまでの経緯を犯人が語るという設定は前作のA Study of Scarletと同じ構成。前作はモルモン教、今作はインドに対するイギリスの帝国支配を扱っている。ある程度社会的な興味も作者は強かったのだろうと感じられる。
この作品で相棒のWatsonは依頼者と結婚するのだが、ふたりがどのように惹かれあうようになったのか、という描写が全くなされておらず、Watsonが彼女に一目ぼれし、数回事件の経過報告をしただけで、彼女が彼のプロポーズを受けるあたり、少し無理な感じがする。Sherlock Holmesシリーズがイマイチ私の心の奥底まで届かないのは、やはり心理描写がもう一つなところなのかもしれない。
まあ、Holmesは結婚は感情に流されるので、deductionを狂わせるから反対だと言っていることからも、この作品はなるべくそうした精神を排した形で進めたいのかもしれない。が、やはりもう一つ作品の世界に入り込めないので残念な感じだ。
が、かえってこうした傾向が男性読者を多く獲得する理由なのかもしれない。

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