春のめざめ [文学 ドイツ]
ドイツの劇作家ヴェーデキント作『春のめざめ』を読んだ。
この作品を知ったのは、劇団四季のミュージカル『春のめざめ』を見たときだった。
ギムナジウムに通う10代前半の若者たちの性に対する興味と困惑、生きることとは何なのかを真摯に問うた作品だ。
若者と大人の意識の違い、をかなり誇張的に大げさに描いており、観た後いろいろと考えさせられ原作を読んでみたいと思った。
原作は長崎出版というところからハードカバーで出ていたのだが、その当時他に読む本が色々あり、かわずにおいた。ある本屋で絶版になるということを目にし、即座に購入。そして読んだのだが・・・。
正直ちょっとミュージカルを観たときのような衝撃はなかった。そのまま意識からはかなり遠ざかっていたのだが、この4月、岩波書店から文庫化されて売り出された。
文庫本好きなのですぐに購入。そしてすぐ読んだ。
かなり面白かった。訳が新しくなったからなのか、自分の気持ちがちょうどあっていたのかわからないが、とても読みやすく、読みながらかなり様々な情景が思い浮かべられた。
同じ本、同じ訳者でも、読む時期が微妙に違うだけでこんなに楽しさが違うんだなあ、と実感した一冊だった。
現在とは時代も違い、様々な物的状況も違うが、若者が性に興味を持ち、それを実践してみたいという気持ち、自分たちの気持ちを理解しようとしてくれない大人に対する反感、など、時・場所を超越した内容なので、是非多くの人に読んでみてほしい。
2017-05-01 07:16
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