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代表的日本人 [哲学書]


代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

  • 作者: 内村 鑑三
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/07/17
  • メディア: 文庫



これも仕事の関係で読んだ。名著に出会えた。素晴らしい本だった。
「無教会主義」を訴えた内村鑑三らしい内容だった。

内村鑑三が共感を覚える、外国人に知ってもらいたい代表的日本人5人を取り上げた作品。もちろん伝記的な部分もあるが、それぞれの人物の素晴らしい特質を示すエピソードがメインで、全員もちろんキリスト教徒ではないが、それぞれがキリスト教徒に通じる内面を持っており、そうした面に焦点を合わせて語っている。

以下印象的な言葉を数点

p.32 西郷隆盛より
「文明とは正義のひろく行われることである。豪壮な邸宅、衣服の華美、外観の壮麗ではない」

現在の文明国は外観の壮麗しか求めていないように思われる。

「命も要らず、位も要らず、金も要らず、という人こそもっとも扱いにくい人である。だが、このような人こそ、人生の困難を共にすることの出来る人物である。またこのような人こそ、国家に偉大な貢献をすることの出来る人物である」

こういう人は日本では全く出世しない。

p.135 中江藤樹より
「徳を持つことを望むなら、毎日善をしなければならない。一善をすると一悪が去る。日々善を成せば、日々悪は去る。昼が長くなれば夜が短くなるように、善を努めるならば、すべての悪は消え去る。」

そう願いたい。

p.154 日蓮上人より
「首府(鎌倉)を訪れた一人の田舎僧侶の目には、あたかもローマを訪れたルターのように、目に見えるもの、耳にする教え、ことごとく異様でした。街には、巨大な寺院と華美な僧侶があり、虚偽そのものに充ち充ちていました。上流階層は禅宗が、下流階層は浄土真宗が支配していて、前者は無益な思弁の泥沼におちいり、後者はいたずらな阿弥陀への信心に我を忘れていました。仏陀の教えはどこにも見られませんでした。」

まさに現在の仏教会である、どうしようもない曹洞宗(禅宗)をそのまま言い当てている。

「愛想よさ、柔順、受容力、依頼上手とかいわれるものは、たいてい国の恥にしかなりません」

日本はこんな人間であふれている。


本当に素晴らしい本だった。清貧の素晴らしさを再確認できた。自分の様々な側面を見直さなければと思った。
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