告白Ⅲ [哲学書]
アウグスティヌス『告白Ⅲ』を読み終わった。
Ⅰ巻はキリスト教改宗以前の若い頃の懺悔
Ⅱ巻はキリスト教に改宗していく心の動きを描いたもの
と、非常に興味深く、かなり読んでいてひきつけられた。
が、Ⅲ巻は基本的に聖書の解釈であり、約300ページに渡り、旧約聖書の天地創造部分を緻密に論じているだけなので、若干(かなり)飽きてしまい、最後のほうはかなりの飛ばし読みとなった。
本というものはそのときの自分の興味関心、体調、心の状態などで読み方が大きく変わっていくものなのだと思う。正直今は、聖書の注釈、解釈に浸かれる心の状態ではなく、アウグスティヌスが問題にしたいことは分かったが、正直その問題を自分の問題として考えられなかった。
①神がこの世を創造する前に「時間」はあったのか
②我々が考える天と地(具体的・可感的)と天と地(抽象的・可知的)はどう違うのか、
③聖書はどのような書物か(書かれているものをそのまま事実として読むのか、象徴的なものとして読むのか)
等、テーマだけをみると、本当に興味深いものばかりなのだ。
そして、その後の西洋思想で考えられているものの根幹となる物ばかりだとも思う。
昨年末、スピノザの『エチカ』を読んでいた頃、その流れでこの本を読んでいたらもう少し意義ある読み方が出来ていたかもしれない。色々なことを深く考え、分からないことは分からないと潔く認め、人間の感知できない部分に関しては神に委ねるという姿勢はとても共感でき、素晴らしかったので、是非こころが向いたときはもう一度このⅢ巻と向きあいたいと思っている。
非常に人間的であり、神に対する真摯さも素晴らしいアウグスティヌス。非常に魅力的であった。
2018-02-20 07:34
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