弁論術 [哲学書]
アリストテレスの『弁論術』を読み終わった。
学生時代、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を読んだのだが、基本的に中庸(ほどほどが良い)ということをひたすら言っているだけで、読みづらくはないが、得るものは少なかった経験があり、それ以来アリストテレスからずっと遠ざかっていた。
今回、仕事の関係で、この『弁論術』を読むことになった。
かつて弁護士を志していたこともあり、こうした類の本に興味がないわけではなかったので少し楽しみに読んだ。
さすがに分類の神様アリストテレス、といった感じで、まずは「弁論術」の定義から入り、弁論術によって説得する際、重要となってくる3つの要素(論者の人格・聞き手の心の状態・言論の証明)を紹介し、さらに、弁論が関わる3つのとき(議会・法廷・演説)をわける。
そしてそれぞれについて細かく論じていく。まさに抽象から具体といういまでも通じるやり方をこの本を通して実践している。
はじめの抽象的な部分は興味深く呼んだのだが、具体例になっていくと、あまりにも分類が細かく、正直読んでいてもあまり得るものがなく、かなり飛ばし読みとなってしまった。
論理的に語るとは何なのか、ということを論理的に考えたい人には良い本だと思うが、おそらくそれがあまりできていなくて、身につけたいと思うような人には理解しきれず、読みきれない本であろう。名著であることは間違いないとは思うが、あまり人にはオススメできない本である。
2018-03-24 07:18
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