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ブリキの太鼓 第三部 [文学 ドイツ]


ブリキの太鼓 3 (集英社文庫 ク 2-4)

ブリキの太鼓 3 (集英社文庫 ク 2-4)

  • 作者: ギュンター・グラス
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1978/09/01
  • メディア: 文庫



『ブリキの太鼓』全巻を読み終わった。
戦争が終わり、成長を始めたオスカルが大人として生きていく様子を描いたもの。
画家のモデルをしたり、墓石彫りをしたり、しながら安アパートに住み、その安アパートで知りあったフルート奏者とJazz Bandを結成してみたりと、様々な仕事をするオスカル。
結局、子どもの頃から叩いていた太鼓で大ヒットし、お金持ちになる。が、そこで豪勢な生活をするのかというと、そうではなく、その安アパートの同じ住人だった女性に恋をしていたオスカルは、その女性が忘れられず、女性がアパートを去った後もそのアパートに住み続ける。

第一部、第二部に比べて、よくわからない情景描写が少なく、読みやすかったが、やはり浮遊感をずっと抱きながら読まされた感じがする。

戦争の終結と彼の身体が大きくなり始めるのが重なるのが何か象徴的で面白い。
戦争が終わったことにより、責任ある大人として生きていくことが出来るような社会になったということなのだろうか。
しかし、大人として生きていたせいで、警察に捕まってしまう。結局最後の殺人事件の犯人は誰なのか、そして犬が何故殺された女性の指をくわえて持ってきたのか、様々なことは謎のまま読者に委ねられる。

ものすごく面白い作品ではない。そして世間で言われるほどの名作だとも個人的には思わない。とはいえ、様々なことを考えさせてくれる作品であることはまちがいない。
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