心に太陽を持て [文学 日本 Classic]
新潮社は、毎年夏の100冊ということで、新潮文庫を売り出している。
かつては、Yonda?君というパンダのキャラを用いていて、しおりやパンダグッズをよく集めていた。
4年前から、「キュンタ」というロボットのキャラに変わり、100冊の紹介冊子が簡単な絵本のようになっており、子どもにそれを読み聞かせているうちに、子どもがキュンタを気に入ってしまい、毎年2冊~4冊の新潮文庫を買うことになってしまっている。
新潮文庫の夏の100冊はあまり、収録タイトルが変わらないので、そろそろ買うものがなくなってきてしまっているのだが、今年も何とか4冊購入した。
そして一番初めに読んだのが、この『心に太陽を持て』
山本有三が指揮を執り、いま何故か大流行している『君達はどう生きるか』の作者吉野源三郎などの協力も得て作成した「日本少国民文庫」の第一回配本らしい。
正直、『君達はどう生きるか』やこの本のような、明らかに、子どもの道徳教育のために作られたような本は読む気にならなかったのだが、読んでみるとその素晴らしさに感動してしまう。たしかに子どもの道徳教育のために作られた感がみえみえなのだが、説教臭さがまったくないのだ。おそらく、編集者達が本気で子ども達に、本の中に出てくるような子どもになってほしいと願い、自分達もそのような姿勢で生きていたからこそ、このような作品に仕上がっているのだろうと思うのだ。
この本は、様々な素晴らしい人物や出来事の紹介をしながら、どのように生きるべきなのかを我々に説いている。
なかでも、「スエズ運河物語」「キティの一生」「フリードリヒ大王と風車小屋」「エリザベスの疑問」が素晴らしい。人を信じること、人間の平等性、民主主義への信頼など、今読んでも決して色あせることのない作品が並んでいる。
まさに、現代に読まれるべき作品だと思う。
新潮社は素晴らしい作品を100冊に入れてくれたと思う。
是非、すべての小中高校生に読んでもらいたい本だ。
2018-07-25 07:35
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