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A Woman of No Impotrance [文学 アイルランド]


Complete Works of Oscar Wilde (Collins Classics)

Complete Works of Oscar Wilde (Collins Classics)

  • 作者: Oscar Wilde
  • 出版社/メーカー: Collins
  • 発売日: 2003/08/01
  • メディア: ペーパーバック



A Woman of No importanceを読み終わった。
前にも書いたと思うが、大学の授業で、Oscar Wildeに関する授業を取り、そのとき買わされた本。
せっかく買ったので、有名作は全部読もうとは思っているのだが、何にしろ、1200ページ以上もあり、重くて持ち運びできず、家で読むしかないのでなかなか読めない。

が、何とかこの作品を読み終わった。
初めは、上流階級のサロンのなんてことはない、女性たちの会話が続くのだが、そこに男性が加わっていき、段々と話は核心へと迫っていく。

Lord Illingworthという金持ちが、ひとりの何でもない若い青年Geraldを秘書に雇うということになる。かなり素晴らしい話だ、とサロンで話題になる。このGeraldはHesterというアメリカから来た女性と両思い。
しかしGeraldのこのおいしい話に対して、母親であるMrs.Arbuthnotは猛反対。実は、GeraldはIllingworthとArbuthnotの間に出来たこどもだったのだが、子どもが生まれるとともに、結婚の約束をしていたIllingworthは逃げ出したのだ。そんなこととは知らないGeraldは楽しげにIllingworthについていこうとするが、この会合の最後に、Illingworthが彼の恋人HesterにKissしようとする。怒ったGeraldが彼に襲いかかろうとするが、母親に「He is your own father!」と言われ止められる。
真相を知ったGeraldはIllingworthと母親を結婚させようとするが、母親はひたすら拒絶。Illingworth本人もArbuthnotの元にプロポーズにくるが、彼女は断る。別れ際かるいいざこざがあり、Illignworthは手袋を落として帰っていく。

後から入ってきたGeraldがその手袋を見て、これ誰の?と母親に聞き、母親は「No one in particular. A man of no importance.」といって幕となる。

とても素晴らしい劇だったと思う。
恐らく、Illingworthはイギリスの古いしきたりの中で育ったために、結婚前に子供を作ってしまったArbuthnotとは結婚できなかったのだろう。そして、ひとりで子供を育ててきた彼女は、a woman of no importanceであったのであろう。そしてその息子、Geraldは全く新しい世界からやってきた全く新しい価値観を持ったアメリカ人女性Hesterと結婚することになる。Hesterの発言のあちこちに、イギリス人サロンに対する侮蔑が入り混じっている。そして最後は、社会的地位も金もあるIllingworthは新しい価値観を持ったこの3人からa man of no importanceな存在へと追いやられる。

すごく、新しい時代、時代の変化を絶妙に表した劇だと思う。ぜひ劇場でみたい作品である。
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