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神曲 地獄篇 [文学 イタリア]


神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

  • 作者: ダンテ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/11/20
  • メディア: 文庫



ダンテの『神曲 地獄篇』を読み終わった。
現世について色々考え思い悩んでいた主人公が、森に入り込み、そこで詩人ヴェルギリウスに出会い、地獄・煉獄・天国を見てまわる物語。

その第一巻『地獄篇』を読み終わった。この本は、当時の道徳的に腐りきった社会に対する、痛烈な批判を目的にかかれたものであろうことは想像できる。ギリシア・ローマ時代の様々な有名な人や伝説的な人物を登場させ、この世における悪をひたすら読者に突きつけ続ける。法的な悪、というよりは道徳的な悪を引き合いに出しているのが面白い。予言や裏切り、性的な乱れ、こうしたことが裁かれるのはもちろんだが、キリスト教を信じなかったということで地獄に落とされているのも非常に興味深い。私の大好きなプラトンも地獄にいるのだ。プラトンやアリストテレスはキリスト生誕以前なのでしょうがない気もするのだが・・・。

そして驚いたのは、プッチーニやドニゼッティーにオペラで取り上げられている人物なども登場することだ。「私のお父さん」というアリアで有名な「ジャンニ・スキッキ」も人をだました罪で地獄に落とされている。

とはいえ、詩の形式で書かれているので、内容は頭・体に入って来づらい。章の始めに大体の内容が要約として示されているので、何となくわかるのだが、これがなかったら結構厳しいと思う。

この間読んだ、ゲーテの『ファウスト』といい、このダンテの『神曲』といい、とにかくギリシア・ローマ、キリスト教の知識がないとかなり読み進めるのは難しく、面白くない作品といえる。

昔、浪人時代、英語を分かりたいなら「キリスト教・シェイクスピア・マザーグース」の知識は絶対に必要だと言われた。ヨーロッパのことを分かりたいなら「ギリシア・ローマ」の知識は絶対に必要だと改めて思った。

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