神曲 煉獄篇 [文学 イタリア]
『神曲 煉獄篇』を読み終わった。地獄は現世で神/イエス・キリストに心を向けなかった人が行く場所。煉獄は死ぬ間際に、神に心を向けたが、それまでの生活が良くなかったのでそれを贖うために行く場所ということらしい。ということで、地獄に行った人々と同じような行いをした人々がたくさんこの場所には集まっている。
この煉獄篇では、ダンテの「愛」「信仰」に対する考え方が、ヴェルギリウスの口を通して語られるところが面白い。とはいえ、やはり「詩」の形式なので、話しが体に入ってきづらく、正直全体像をつかむのが困難ではある。
キリスト教、ギリシア・ローマの知識に加え、当時のイタリア、特にフィレンツェの政情などの理解がないと結構わからない。本というものは、基本的にはその当時生きていた(る)人々に向けられて書かれており、同時代を扱ったものではないにしろ、作品がその時代を反映するのは当然だ。古典作品を読む際の困難さの一つといえる。
まあ、基本的にはダンテの現世における道徳的腐敗に対する批判がほとんどなのであろう。
最後にベアトリーチェが登場する。
彼女は、ダンテに、自分が死んだ後他の女性に心を向け、神に対する信仰を怠ったことを批判するが、彼女は歴史的にはダンテ以外の男性に嫁ぎ、そこでなくなったのだから、ダンテが他の女性にこころを向けるのも当然といえる。他の男性にとついでも、理想の女性であり続けたベアトリーチェ。さぞかし心の美しい素晴らしい女性だったのであろう。
最後はこのベアトリーチェとめぐる天国篇。楽しみだ。
2018-12-18 07:19
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