Personal Recollections of John of Arc BOOK3 Trial and Martydom [文学 アメリカ]
Personal Recollections of Joan of Arc
- 作者: Mark Twain
- 出版社/メーカー: Harper Perennial
- 発売日: 2016/02/16
- メディア: ペーパーバック
マーク・トウェインの『ジャンヌ・ダルク』を読み終わった。有名な裁判と火刑の場面。
色々な劇でこの場面を観ていたので、『ヴェニスの商人』などのように劇的なのかと思っていたが、「聖人達の声は本当にフランス語で語られていたのか」「何故男装をやめないのか」といった質問に終始し、それに対し、ジャンヌが同じように答え、疲弊しくしてしまう、といったことの繰り返しだった。確かに裁判はこのような感じで進み、なかなかイギリスの思うように進まなくてイライラするような裁判だったのだろうが、裁判の場面に特有の、劇的な感じや、緊迫感がなく、ちょっと残念だった。
ジャンヌの死後何人も経って、フランス王がジャンヌの名誉を回復するために行動を起こすのだが、これも、自分の現在の安定したフランスの王の地位が、魔女の力を借りたものだったと思われるのを嫌がっての行動だったという感じで終わるのだが、これも歴史的にそうなのだろうが、何となく最後の最後でこの結論か、という思いが残った。
おそらく、かなり色々な資料を読み込み、史実に忠実にジャンヌの人となりをマーク・トウェインは描いたのであろうが、そのことでかえって小説としてもダイナミックさが、失われてしまっている気がする。
とても興味深い作品ではあったが、ひとつの小説としてはもう一歩だった感がある。
2019-03-30 14:02
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