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Anti-Intellectualism in American Life Part5 Education In a Democracy [学術書]


Anti-Intellectualism in American Life

Anti-Intellectualism in American Life

  • 作者: Richard Hofstadter
  • 出版社/メーカー: Vintage
  • 発売日: 1966/02/12
  • メディア: ペーパーバック



章のタイトルにもあるとおり、「民主主義における教育」について述べられている章。
王政や、階級社会が依然としてあるヨーロッパ社会と違い、あくまでも原則は「皆が平等」であり、民が主である民主主義を標榜するアメリカ社会において、さらにいえば、何百年、何千年と受け継がれてきた伝統・歴史がないアメリカ社会においては、ヨーロッパ的な、古典的教養は必要なく、実践的な、社会に役立つ、民主主義精神を養う教育が必要とされる。そうなると必然的に、生活に根ざした科目が中心となり、古典語教育のようなヨーロッパのエリートで必須とされてきたような科目は必要なくなる。こうしたことを重視するような教育はあざけりの対象となる。

このようなアメリカ社会に根ざした、新しい教育観を持った人間の代表としてジョン・デューイが挙げられ、彼の教育観の解説がこの章の3分の1以上を占める。子供の内発的な動機付けを重視し、対話を重視し、教員主体ではなく、生徒主体の教育という考え方はまさに今の日本の教育の流れと一致する。さらにこれはデューイの言葉ではなく、マリエッタ・ジョンソンという人の言葉らしいが、「どんなこどもも失敗をしるべきではない。学校はこどもの心の欲求に従うものであるべきで、誰かが成功している裏で誰かが失敗しているような教育は、不公正であり、反民主主義的であり、反教育的である」という言葉は、運動会で徒競走に順位をつけないような状況の理論的バックボーンとなるだろう。

昔、デューイの『民主主義と教育』を読んだときの違和感がそのままよみがえってきた気がする。確かに理想としては良いのだろうが、やはりどこかでひっかかる部分がある。それはデューイ思想(デューイ自身が実際持っていたかは別として)がもつAnti-Intellectualismだったのではないかと思うのだ。

やはりここまで読んできて、私はヨーロッパ的なIntellecutualismに共感する部分が多いのだろうなとあらためて思った。
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